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第53話 防衛線.ル・ヴェルドンライン

これからリアルで忙しくなりますっていう報告を書いて送ったつもりがそのままつもりで終わってた。申し訳ない。


ちなみに王都自体はボルドーを構想として、ウェリング領をアルカションと考えています。よく分からない人はGoogleマップで検索してから見るとわかりやすいかもです。

ガンッと鈍い音がマリーの頭からする。


「ッッッ!?いったいわね!」


マリーの後ろに全長2m程はすると思われる男がたっている。


「どうせお前のことだから水堀用の金を王族からたかろうっていう魂胆だろう」


マリーが悔しそうな顔をする。


「だったらなんだって言うの。ウェリング専属陸軍の隊長さん」


マリーが長身の男を指でつつきながら煽る。


「ウェ…ウェリング領の陸軍隊長!?」


ユーリが驚く。


「あぁそうだ。お嬢さん方は領主様の婚約者か?」


「はい、そうですが?」


クリスが受け答えをする。


「そうか。あと1つ言うことがあってだな。あまりマリーの話を鵜呑みにしない方がいいぞ」


「そ、それはまたなんででしょう?」


ヒカリが驚きながら聞き返す。


「こいつは故郷を守りたいだけなんだ。この国の荒廃なんてどうでもいいんだろう。」


「な!」


マリーが反抗した目つきをする。


「ま、水は要らんと思うが堀は役に立つだろうな」


クリスがおどおどしながら2人に聞く。


「お2人はどんな関係なんですか?」


「あぁ、そういえば自己紹介もまだだったな。俺はクロム・ウェルドだ。マリーとは幼なじみだな。」


「「「お、幼なじみ」」」


聞き慣れない単語にユーリ達は驚く。


「ま、そんなことはどうでもいいの。それよりも水がいらないってどういうことよ。近くに川も流れていて水を引くにはもってこいじゃない」


マリーが納得いかない様子で質問する。


「1つ目は金がかかる点。お前は王族の金で作ろうとしたようだがそれは不可能に近い。理由は王都が襲撃された影響で瓦礫まみれになっているからだ。最優先事項は王都の復興、そちらに金を使っている。」


ヒカリが頷く。


「そうですね。王都がほぼ全壊している影響で内政や軍事関係までもが機能停止という状況です。外交機関は王都以外に仮設でウェリング領に設置。しかし領主が行方不明となっていますので治安が悪化し始めており危険です。他国から支援を貰ってはいますがこっちまで回す資金は限りなく0に近いでしょう」


「2つ目は極級のデータを国王の下部組織から貰ったが、水堀が効かなさそうな点だ。」


「と言うと?」


ユーリが聞く。


「サイズは人並みで多数の魔物を率いる。一見これだけ見たら効果がありそうだが、極級は人間以上に知能がある可能性が高く、前回の対戦で的確な配置により陸軍が半壊したなどかなり厳しい戦いになる。ここを主戦場とする建前、水堀を避けられては困る。その前に包囲したいしな」


「3つ目は水堀より効果的な「塹壕」があるからだ。」


「その塹壕とは?」


ユーリが疑問に思い質問する。


「元々南東の国から伝わってきたと言われているものだ。塹壕は堀を作ってそこから人が攻撃する。」


「まぁまぁいいと思うけど、それを作るための人材は?」


「カストラムから引き抜けばいい。自分たちの要塞を守るためなら死力を尽くしてやってくれるだろう。」


「なるほど。しかしそこから攻撃するための武器はどうするので?魔法を使うにしてもそこまで射程のある者は少ないと思いますし、槍では射程が足りないと思うのですが」


クリスが問題点を洗い出す。


「そこなんだが…」


答えようとしたところにイフリートが現れる。


〘クロム。前々から試作していたやつの1号が出来たぞ〙


イフリートが火縄銃のようなものを持ってくる。


「おぉ!!こいつの名前は?」


マジックブレットガン(魔弾銃)とでもいうところだ。試しに撃ってやろう〙


イフリートが近くにあった木に標的を定めて魔弾銃に魔力を込める。


「わぁ…綺麗…」


込められた魔力が虹色に輝く。


バンッ


という大きな音とともに木に穴があく。

クロムやマリー、クリス達は威力の高さに唖然としていた。


〘凄いだろう。簡単に仕組みを紹介しよう。〙


魔弾銃のグリップらしき部分を指さす。


〘ここが魔力を込める部分だ。魔弾に直接魔力を流したら危険だからな。ここである程度流す量を一定にしている。これには精霊の魔力操作技術が関わっている。〙


ユーリが親指であごを抑えながら質問する。


「つまり…どんなに魔力が高くても低くてもここで調整して暴発しないようにしているっこと?」


〘そういう訳だ。後は強化魔法で銃身を強化してここに指をかければ発射するようになっている。〙


「元からこういう銃自体はあったが、魔法の方が優秀で一部の部隊でしか使用されてなかったが…これは威力と安定度、そして射程が長いな」


〘そうだ。理由は銃弾に魔石をつかっているからだな。〙


「魔石?そんな危険物を何故?」


マリーが魔石という単語に恐れて急にクロムの影に隠れて聞く。きっと魔石で過去に何かやらかしたのだろうと、クロムの青ざめた顔から想像できた。


〘魔石の二段階に別れた爆発を利用するためだな。これによって弾と火薬を使っていたのを魔石のみで良くなった。ただ真っ直ぐ飛ばすのは大変だったぞ…〙


余程苦労したのかイフリートの顔色がみるみる悪くなっていく。


「こいつは量産出来るのか?」


〘魔弾銃な。量産はパーツごとに作って製造工場で作る予定だ。製造ライン自体は出来てるから鍛冶師などを呼んでパーツを作ってもらう。量産は可能だ〙


イフリートが自信満々に腕を組みながら言う。


「そうか…その言葉信用するぞ。こい…魔弾銃と塹壕を基礎とした防衛線を構築する。まずはその計画からだ。」


「「「「おぉー!!」」」」


〘それじゃあ俺は魔弾銃の弾を作る機械を作ってくるよ〙


「あぁ、いい報告をありがとう。」


軽くイフリートが手を振って帰っていく。


そこから大まかな塹壕構築ラインが定まった。

1つは大規模な川であるジロンド川から、一直線にカストラム、ビスケー湾までを繋ぐ防衛線。名前はカストラム含む周辺都市から「ル・ヴェルドンライン」となった。

ル・ヴェルドンラインは塹壕を第1ラインから第2ラインまでを200m、第2ラインから第3ラインまでを400m、第3ラインからカストラムを含む第4ラインまでを300mとする4ラインに決まった。

このラインにより、敵の出現する森を周りは川、そして陸路は塹壕という事実上の半島とすることになった。敵の出現する位置付近に街はなく。補給地点もないため持久戦を前提としたものであることが見て取れる。


「…問題点があるとしたら」


「やっぱり補給ですよね。」


ヒカリが地図を見ながら答える。


「王都に工場があるため銃の補給は王都からになります。しかしかなり距離があるため川を利用したいところですが…」


「ここらに港が1つあるけど、かなり小規模で補給には向かないのよね。」


マリーが困り顔で指を指す。


「それじゃあ補給港となる港の強化と、カストラムの付近に備蓄倉庫を建てよう。なにかあった時ように念には念を入れて弾と銃を分けよう。」


「はい、それが最良かは分かりませんが、今からできることとすればそれくらいかと」


ヒカリが頷きながら答えた。


「それでは…行動開始!!」

半年以上何やってたかと聞かれたらゲーム配信やAPEXやってました。他には新作の構成からキャラ設定、歴史設定を考えるためにck2、現代戦を織り交ぜるためにHoi4など下準備中です。


次話が出るのは1週間後か1月後になると思われます。

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