第24話 王城にて
所々にある看板を見て馬で駆ける。
「うぐっ」
肩に受けた矢が痛む。
それでも1人の身より、たくさんの命を守る方が大事だ。小を捨てて大を就く。まあ今は一殺多生。自分を殺してたくさんの人を生かす。そんな感じな気がする。
王都の壁が見えてきた。
もし既に軍を出していたら…いや、今は前だけを見よう。
馬で駆けて来たからか門兵が門を塞いでいる。
「そこの君!止まりなさい!」
チッやっぱり止めて来るか…なら!
「すみません!ヒロト・クラッシェルです!緊急事態なので通してください!」
「では身分を証明できる物を出してください」
「これです!」
こういう時にインベントリがとても役に立つ。
「はっ伯爵様でしたか!ど、どうぞお通りください!」
「ありがとね」
そのまま道を駆ける。なるべく人の少ない道を通っていく。
…やっと王城の外壁に辿り着いた。
「はぁはぁ」
息が荒くなってきた。ッ!あそこで受けた矢が痛手となる。
「君!大丈夫かい?」
馬に倒れていたから心配してくれているようだ。
「大丈夫です…それより早く王様に伝えなくては!」
「分かった。すぐに通そう。しかし身分を証明できる物はあるかい?」
伯爵の証の短剣を見せる。
「伯爵様でしたか…すぐに行ってください!馬はこちらで預かります!」
「ありがとう…任せたよ」
今にも途切れそうな息でとにかく走る。
風魔法を使う余裕もない。
「はぁはぁはぁはぁ」
とにかく走る。
「ッ!あの扉だ!」
バンッ!扉を思いっきり開ける。
「王様!失礼して申し上げます!クラッシェル領にてキサンナ王国が船を使って攻め込まれました!」
「何と!」
「しかし!キサンナ王国第2王子、マイス・キサンナと取引をして戦争を止めようとしています!」
「そうか…取引の内容は?」
「はっ!キサンナ王国は気候により食料難に陥っています。それにより我が国に攻め込んで来ました。なのでこちらは食料を、向こうからは錦織物や特産品と取引をしようとしています!」
特産品って付け加えたけど問題ないはず。
「うむ。分のいい取引じゃな、それで錦織物とはどんな物だ?」
「はっ!そちらに関しても王子から王様に献上するためにと持って来ました」
インベントリから錦織物をだす。そしてそのまま頭を下げ、錦織物を持った手を上げる。
「ほっほ!これが錦織物か!良いな…」
「どうじゃフレイス?」
フレイス?って誰だろう?
「そうですなぁ…外務大臣のわしからしてもこれはとても良い取引だと思いますぞ?」
「そうか、なら向こうと取引をするのじゃ!戦争を止めるために急ぐんじゃ!」
そうか…良かった…戦争を止められるなら万々歳だ…
「ヒロト、クラッシェ…おい!ヒロト!どうしたんじゃ!」
王様が体を揺らしている…
「す、すみません…王様…戦闘の…最中に受けてしまった…矢が…」
「ど、どうしたんじゃ!ヒロト!」
「王様…それよりも早く…戦争を止めてください…」
「分かっておる!ヒロト!」
意識が朦朧としている。…このまま死ぬのかな…みんなを残して1人だけ…
「ヒロト!ヒロト!ヒ―――」
そこでヒロトは意識を失った。
短くてすみません!どうかお許しを…(;ω;|




