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第15話 医者と父

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

「―――ヒロト!ヒロトー!」


愛する息子を抱えてレーガンは叫ぶ。

息はしている。その事にほっとする。


「副作戦長殿!馬を持ってきてくれ!」


聞こえるように大声を出す。


「分かりましたー!」


縄を使って引っ張ってきた。


「ありがとう!」


「いえいえ。それよりヒロトくんをよろしくお願いします」


「ああ。もちろんだ!愛する息子だからな!」


そう言ってヒロトを抱えて街の医者のところに馬に乗って走る。


一見普通の家に見えるが一流と言っても過言ではない医者がいる。


「すまん。カヤタはいるか?」


「おおー!レーガンじゃないかどうした。ヒロトくんと娘との婚約、考えてく、えっ!?ヒロトくん!魔物が襲来時に何かあったのか!?」


「ああ。超級が現れてな、それをヒロトが魔剣を使って倒したんだ」


「そうか。凄いじゃないか。」


「まずベットに寝させて置いてくれ話はそれからだ」


ヒロトをベットに連れていき寝かせる。


「じゃあ話を戻すがどうしてぐったりしているんだ?」


「それはな」


どんな事があってどう倒したのか話した。



「そうか…魔剣か。もしかすると魔剣の技の反動かもしれない」


「やはりそうか…実は俺もそう考えてるんだ」


「そうか、なら家で休ましてやりなよ。安静にして問題が起きたら教えてくれ」


「ああ、ありがとう恩に着るよ」


大丈夫そうだと安心した最中から


「それはそうとヒロトくんと娘を婚約さしてくれよ」


「それはダメだとずっと前からから言っているだろ!」


「えーーそうかな?伯爵の娘と聖女だったら権力的にも大丈夫そうだと思うけど」


「お前はいいかもしれないがこっちが良くない」


そうなのだ。カヤタの娘は聖女なのだ…回復魔法を使えて神の声を聞くことができる。そしていつかは教会に入らなきゃいけなくなる。しかし婚約者や結婚すると教会に入らずに家で祈りを捧げるだけで良くなる。


「そうは言っても…娘が教会の言いなりにされるのだけは嫌だ。だから信用できるお前の息子に頼んでいるだ」


うーん…今までの借りもあるが、伯爵の方がどう思っているのかが分からない。

はぁ…全く困ったものだ。そんなに頼まれたら断れなくなってきたなぁ。


「仕方ない…伯爵様に聞いて駄目だったら諦めろよ」


「ありがとう!ありがとう!これで…娘を残して安心して逝けるよ…」


「娘を残して逝くなよ」


はははと笑いながら最近の愚痴を言い合ったりしていた。


「そうだレーガン。この間聞いたんだが、ヒロトくん精霊魔法使えるんだってね」


「ああ、それはな。ヒロトが精霊から魔法を教えて貰っているんだ」


「ええっ!?精霊から!?…もしかして寵愛を受けたり…」


「ああ、してるぞ」


事実を言う。信用できる友人に嘘をつく理由がないからだ。それに知ってもらった方がいい時もある。


「だとしたら…ヒロトくんもしかして人間国宝みたいなものだよ。超級も倒したんだろ。それなら国王から褒美を貰えるんじゃないかな?」


「確かにそうだな。ヒロトがトドメをさしてるし」


「というか魔剣の技を使わなくても精霊の力で倒せたんじゃない?」


痛いところを突かれる。


「…精霊は2人いるのだが、1人は伯爵家で女子会。もう1人の精霊はどこにいるかヒロトもわかっていない」


正直びっくりだ。ヒロトが死んだらどうするのだろう。という怒りとヒロトの力を信用しているのか。分からなくてもどかしいが、精霊がついていてくれるだけでありがたいから口出しはしない。

…精霊に口出ししたりでもしたら消されそうだし…


「…今回は軍とヒロトくんだけで倒せたし結果良ければ全てよし!ということで終わらせたら?」


「それもそうだな。そういえばお前の娘の護衛は大丈夫なのか?」


「何を言っているんだい。魔法のエキスパート!この僕がいるじゃないか!それに結界もあるしね」


「それもそうだったな」


今はただの親バカになっているが10年前は魔法学校の教師もやっているすごいやつだ。魔法に関しては天才と言われていて、今は医者をやっている。


「おーいクリス〜!おじさんが来ているから挨拶しに来なさーい」


誰がおじさんだ!と言いたいが最近髪の毛が…もうこの話題には触れないようにしよう。と心に誓った。

おっ可愛い少女が出てきた。


「えーと初めまして?クリス・スパイクルです。一応聖女やっています」


恥ずかしがり屋のようだ。…歳を考えたらこのような挨拶をできるだけでも凄いはずなんだがヒロトのせいで目が肥えたようだ。それにしても綺麗なピンク色の髪だよなぁ…。


「初めまして。レーガン・ウェリングです。この領の領主やってます」


にこにこ顔で言った。これで優しいおじさんに見えるだろう。


「えっ!?領主さま!?ってお父さん!そこにまだ子供が寝ているじゃないですか!はやく見てあげてください!」


どうやらヒロトの事を言っているようだ。


「クリス。大事な話がある」


…嫌な感じがする。冷や汗をかいてきた。


「君の婚約者が決まった。そこにいるヒロトくんだぁー!」


…とんでもない悪ふざけ?いや悪ふざけでもないか。ともかくふざけやがったぁぁぁ。


「そうなのですか?」


「おーまーえー!」


カヤタが肩に手を置いてくる。


「伯爵様との交渉…頼んだよ!」


めちゃくちゃ嬉しそうな顔して言ってきた。


それからカヤタはヒロトの事を色々自慢してクリスはそれにただただ困惑するだけだった。



「それじゃあカヤタ。俺そろそろ帰るわ」


「そうかい。クリスの事とヒロトくんの事…頼んだよ」


首を縦に振り手を振る。クリスも振ってくれているようだ。


「さてと…まずヒロトを家に届けるか」


「その次に…はぁ自己処理かぁ…」


後でやることにため息をつきながら。馬を走らせる。

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