第1話 プロローグ
「はぁ…疲れたなぁー。けど俺も残れば良かったかなー…はぁ」
真はため息をつきながらゲーセンから帰宅していた。手には最近機種を変えたスマホを持っている。現在進行形で友達から連絡が来ていた。
”なぁなぁ真。今日の理科の最後さぁ、料理の話ばっかりでつまらなかったよな〜"
”そんなことないと思うよ。料理は身近で出来る実験だって言ってたし、先生が言う料理を材料とかそのまま作ると美味しいし"
”お前は料理出来て良いよなぁ。それよりも今日のゲーセン残らなくて本当に良かったのか?"
”いいよ俺は。それに今日は気分じゃないし"
”じゃあ今取ったお前の欲しい欲しい言ってたぬいぐるみ。取れたから写真送るな"
ゲーセンで取ったぬいぐるみを自慢してきた。しかも自分が欲しい欲しいと言っていたやつだ。
俺こと琴里真(中学1年生 13歳)は社会と理科が大好きな一般的な学生である。普段は異世界ものの小説ばっかり見ているやつだ。学校での成績は中の中ぐらいであるが、ほとんどの点数は社会と理科からきている。顔立ちも特にイケメン!ということもなく、いたって普通の顔である。
家まであと少しというところで信号機が赤になってしまった。
「はぁ…あと1分待たないと…」
今日は特に運が悪いと思う。
いつも通り信号機で待っているとトラックが来た。
「なんかあのトラック挙動不審のような?」
まぁ大丈夫か。
と思っていると…こちらにトラックがもうスピードで突っ込んできた。
「危ない!避けろ!」
周りの人に大声で叫ぶが、猛スピードのトラックはそのままこちらに突っ込んで来ていた。
やばい避けなきゃ!
と思った時にはもう遅かった。自分はもう既に轢かれていて、視界が少し、また少しと暗くなっていく。
「まだ…生きたかったな…」
その言葉を最後に真は意識を失った。