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「下々の「もしもし」」
下々が電話に出る時の
第一声は決まって「もしもし」か
「もしもし」で始めてばかりだから
其方らはいつまでも下々のままなのだ
下々の「もしもし」
もし仮に...なんてありえない
下々の「もしもし」
蒸し蒸しした嫉妬心は実に不快
電話に出る時はスマートに
第一声は「はい、〇〇です」と言うべきだ
なのに「もしもし」に執着するから
貴様らは相変わらず下々のままなのだ
下々の「もしもし」
もしかしたら...なんてありえない
下々の「もしもし」
無死虫が人の嫉妬心を喰らっていく
おい、そこの貧しい少年よ
手が霜焼けしているではないか
よろしい、この上流貴族であるこの私の
蒸し蒸しした手で温めてやろう
ついでに上品な電話の出方も教えてやる




