001 prologue
目覚まし代わりに仕掛けていたラジオ、
FM802にて、ロッカトレンチのevery sunday afternoonが流れていました。
娘が入院していた時に出会った少女が口ずさんでいた曲です。
そして、病室を間違えたであろう彼女が、私と昏睡状態の娘を見て…、
「この子も羽を貰えるから大丈夫♪」と言った事、
衝撃的過ぎて今でも覚えています……。
因みに我が子は癲癇の発作、一泊二日の昏睡状態を経て健在。
入院中、深夜の謎の訪問者である彼女の方は不明ですが…、
彼女切っ掛けで購入したCDと、
一部分、彼女がモデルとなっている私が書いた小説は、
手元に残っていました。
思い出したので、この場を借りて再投稿させて頂きます。
「てるてる坊主」は申し訳なさそうに俯いて、
自らが捨てられてしまうかもしれない「晴れの日」に祈ります。
それは「彼女」にとっての「晴れの日」。
「てるてる坊主」は、
窓辺で風に揺られながら「彼女の描いた絵」を眺めていました。
それは「十字を掲げた白い建物」の前で、
「白い服を着た女の子」と「黒い服の男の子」が、
「楽しそうに微笑み合う」水彩色鉛筆で描かれた絵です。
「彼女の親族」が泣きながら「彼女」を見送る中、
「てるてる坊主」は、
申し訳なさそうに俯いて「彼女の幸せ」だけを祈りました。
「一人の幸せを祈る事」は「誰かの不幸せを祈る事」なのです。
皆が皆、同時に「晴れを祈る」とは限りません。
同じ日、同じ時に「雨が振るのを祈る」そんな人もいるのですからです。
「願い」は、何時も「表裏一体」でした。
それでも「テルテル坊主」が祈るのは「彼女の願い」だけです。
「彼女」の為の「てるてる坊主」は
自分に向けられた最後の「彼女の笑顔」を思い出し、
風に揺れ、少しだけ空を見上げました。
「天使」が「彼女」の為に舞い降りて来てくれているのを願い、
その願いが叶うのを自分の目で確認したかったからです。
*「彼女にとっての今」
…嘗て…「晴れの日」=「幸せになれる日」を夢見ていた少女が、
「てるてる坊主」を作りました……。
「晴れた日」・・・彼女の「新たなる旅立ちの日」
旅立つ準備を整えた彼女は、真新しい純白の服に身を包み、
静かに目を伏せ…旅立つ時を待っています……。
*「てるてる坊主の今」
…そして未来で…「てるてる坊主」は晴渡る青空に…満天の星空に…、
はたまた、雨降る嵐の中に…、
「彼女に託された願い」であった「彼女の夢見た世界」を見付けます……。
*「そして、僕の今」
今年も「てるてる坊主」を連れて、
「彼女の夢見た世界」へ、遊びに行くスケジュールを立てました。
それは「自由」と「音楽」を愛した「彼女の夢見た世界」。
彼女が恋焦がれた「野外フェスの会場」のチケットをゲットして、
今年も、あの時…、彼女と一緒に食べる約束をしていた物…、
「フェスの為に持ち込まれた石焼窯」で焼かれた「ピザ」を食べながら…、
一緒に観る筈だった「生ライブ」に、観客として参加する予定です。