小話 『憎悪』
やあ、こんにちわ。今日の天気は晴れかな?雨かな?それともくもり?
まあ、そんなことはどうでもいいんだ。今日は『憎悪』という言葉についてかんがえてみようと思う。
『憎悪』とは、あるものを憎んだり嫌ったりすることだよね、『戦争を憎悪する』なんて使い方が一番かな?
戦争なんて嫌だよね、お互いに正義たる理由はあるのかもしれないけれど、自分の大事な人が帰ってこなくなるかもしれないし、自分だってどうなるかわかったものじゃない、戦争なんてなくなってしまえばいいのにね。
けれども、大なり小なり争いごとがなくなる事は永遠にないと思うね、世界がバランスを取っていると思うんだ、どこかが平和ならば、どこかで争いは起こる、世界は差し引きプラスマイナスゼロってね。
おっと、脱線してしまったようだ、いけないいけないボクの悪いクセでね、こればっかりはどうしようもないので我慢しておくれ。
さて、憎悪だったね、イメージとしては悪い意味に聞こえてしまうと思う、反対の意味で用いられる言葉も『愛情』や『友情』ってぐらいだからね。
だけど、『憎悪』ってすごくいい言葉なんだよ。
わかってるよって人は黙っていてね、ボクの話が続かなくなっちゃうから、わからないって人は『憎悪』をひっくり返してみるんだ、『悪憎』ってね、もっとわかりやすくするために文字を足してみよう、『悪を憎む』になっちゃったね。
これはすごいことだよ『憎悪』って言葉は実は正義そのものだったんだよ。
ビックリした?ビックリしてなくてもビックリしたって言ってくれたらボクは信じて喜んじゃうよ、あ、そこのキミありがとう、あとで握手してあげるね。
よーし、気分がいいんでもう少し掘り下げてみようか?
文字っていうのは分解するともっと深い意味が隠れていたりするんだよ、じゃあ『悪』から分解してみようか、『亜』と『心』になるね。
ん?もっと分解しないのか?だって?んー、キミは駄目だね、赤点だ後で補修をしてあげるから帰らないようにしてね。
文字には最低限の形が必要なんだよ、そうじゃないと意味を成さなくなっちゃうからね、言霊と一緒で文字にも不思議な力が宿っているんだよ。
それを分解しすぎて縦棒やら横棒の一本の線だけにしちゃうと壊れちゃうんだ、そもそも言霊と文字にも密接な繋がりがあってね真言なんてのがあるんだけど・・
っと、ごめんごめん、また悪いクセがでちゃったよ、今回は早く帰ってきたから被害は少なかったかな?
『亜』と『心』だったね、『心』はそのままボク達の心、感情や意識だね。
じゃあ『亜』ってなんだろうね、えっとねこれは調べてきたんだよ、「次位の」とか「準ずる」だって、簡単に言っちゃうと、二番目とか本当のことじゃないってことだね。
それじゃあ繋げてみようか、二番目の感情や意識、本当じゃない感情や意識ってことになるね、これはすごい結果になったね。
人間の本質は『悪』であるなんて言っていた人もいるみたいだけど、『悪』という字自体が二番目の心、本当じゃない心っていうのを語っているんだよ。
本質というからには一番じゃないといけないからね、じゃあ人間の本質、一番の心ってなんだろうね?
こればっかりはボクにもわからないかな、二番目が「悪」だったとしても、心には他にもいっぱい種類があるからね。
キミは何が一番だと思う?うんうん、「愛」かイイネ、キミ誰かに恋してるだろ?ああ、ごめんごめん答えなくていいよ、ボクは「優しさ」が一番だと嬉しいかな、ん?理由?話してると明日になっちゃうけどいいかな?うん、それじゃあやめておくね。
さて、『悪』を分解したんだから、今度は『憎』も分解しちゃおうか。
左側のりっしんべんと右側の『曽』に分けようか、りっしんべんは別名こころへんだね。
こころへんというだけあってこれも「心」ボクたちの心だ、「曽」は、ますますとかよりいっそうって意味だね。
おっとこれはとんでもないね、「憎」という字はボク達の心がよりいっそう憎むって事になっちゃうね。
「憎」の一文字と中の意味まで合体すると少なくても二倍は憎んでいるね。
うん今度から気軽に「憎いねー」とか使わないようにしないといけないね、実際はそこまで憎くないだろうし、とっても憎い相手には「憎憎しい」なんていっちゃうのがいいね。
多分十六倍ぐらい憎んでるよ。
ん?どうしたんだい?え?「憎憎しい」が「肉美味しい」って聞こえた?
うん、キミのおかげで今日のボクの晩御飯はお肉を食べることにするよ、キミは魚を食べてね、体にとってもいいからね。
さて、それじゃあ後は皆に宿題だ、今日分解した言葉の意味や文字そのものの意味、単語としての意味を自分なりに解釈して『憎悪』に素敵な解説をつけてあげてね。
、それじゃあ今日の天気は解らないけど気をつけて帰ってね。
え?ボクならどんな解説をつけるかって?それはヒミツだよ、だってボクの心はボクだけの心だからね。