第3話
勢いで書くと誓ったはずなのに、かなり悩んで1週間程止まってしまいました。
悩んで悩んだ結果、勢いで書かないと結局書けない!という最初に考えていたのと同じ結論になりどうにか書いてみました。
輝け、栄光の三つ鱗 第3話
---西暦1539年(天文8年)正月 小田原城
こんにちは、松千代丸こと後の北條氏政です。
2歳になりました。
この時代は数え年齢なのでまだ生まれて1年も経って無いんですけどね。
だいたいのイメージからすると半年くらいは経過したと思います。
大半を寝て過ごしているので時間感覚は怪しいです。
まだ自由に動けません。
じたばたと身体動かすのが精一杯です。
暇です……。
周りの人達は乳母と思われるお姉さん、母上、父上くらいしか見かけることがありません。
あ、たまにお爺ちゃんが遊びにきてくれます。
ええ、俺のお爺ちゃんですので北條氏綱公ですよ?
戦国ファンとしてはたまりません。
勝って兜の緒を締めよ、の言葉で知られ後北條氏のその後の発展を決定づけた後北條2代目です。
北條の姓を名乗りだしたのもこの方からで、史実では攻めに攻めに攻めぬいた人生を送られた戦国大名です。
昨年の国府台合戦で北條家の関東での地位を盤石なものにされております。
自分にもよく勝って兜の緒を締めよ、としつこく言ってきます。
お爺ちゃん、俺まだ2歳(実質生後数か月)なんですが。
あと、里見家への怒りに満ち溢れています。
俺相手にも里見さんへの思いだし怒りでぶつくさ言っています。
お爺ちゃん、ほんと俺まだ2歳(実質生後数か月)なんで本当勘弁してください。
あ、あと気に入ったらすぐ養子にして一族増やしちゃうお茶目なお爺ちゃんです。
まだ、会えてないけど福島綱成殿や高橋綱高殿がそれぞれ北條綱成・北條綱高として一門入りしているはず。
先日、安心老後生活の為に戦国の時代を頑張っていき抜こうという決意を固めたばかりですが赤ん坊の身なので出来ることも無く大人に構ってもらう日々が続いています。
なんで、こんなですます調で独白しているのかというと暇すぎるから気分転換で試してみた。
特に意味も無かったし、暇なのは変わらなかった。
他にすることもないし、反省もしてないけど特に暇つぶしにはならかったんでもうしないだろうな。
ただ、氏綱じいちゃんはまじで同じ話多くてしつけえ。
早く自分で身動きできるようになりたい……毎日暇すぎるぜ……。
あ、ダメだ眠くなってきた……。
---西暦1539年(天文8年)正月 小田原城 北條氏綱
私ももう53歳か、上杉との戦も順調で優秀な倅に一族にも恵まれている。
孫ももう2人目ができたし、他の一族や重臣も安心できる。
信心の欠片も無い里見の連中に焼かれてしまった鶴岡八幡宮の再建も順調だ。
一時は周辺勢力に囲まれ四面楚歌かとも思ったが、享禄三年(1530年)の小沢原の戦(北條氏康が初陣で活躍した戦)から流れが来ている。
さすがは我が倅よ、小さい頃は兵が訓練をしているのを見るだけで泣いておったあの伊豆千代丸がなぁ……。
吉政(清水吉政、北條氏康の傅役)は良きおのこに育ててくれたものよ。
昨年の国府台の合戦で御弓公方を討ち取った以上はしばらく落ち着くであろうし、
その間に晴氏様(足利晴氏、本来は関東を差配する立ち位置の古河公方)と私の娘の婚姻をなんとしても成し遂げておかねばならぬな。
現状は順風満帆といって良い状態であるな、いやこういう時こそ警戒せねばならん!
調子の良い時程警戒すべきだ、勝って兜の緒を締めるべきだな。
倅たちにも言い聞かせておこう。
武田信虎に今川義元、両上杉、里見義堯と周りがあまりに信用出来ないやつらがひしめいておる。
油断など一刻もして良いものではないな。
特に里見義堯め、里見家を継ぐ時には私が力を貸してやったものを、恩を忘れ噛みついてばかりだ。
絶対にいつかあの家は滅ぼしてくれる!!
もともと鶴岡八幡宮に火をかけるなどという暴挙に出た上であの横暴だ、頻繁に当家の船も襲撃されておるし絶対に許せん!!
義元もだっ、花倉の乱では支持してやったものを、恩を仇で返すような真似ばかりしおってからに!!
あんな業突く張りの信虎などと組んでこちらにちょっかいをかけてくるとは許せぬ!
今はなき氏輝殿とは大違いよ!
うっ……、いかん急に怒りがこみあげてきたせいかめまいがしてきた。
近頃、歳のせいかこういうことが増えてきたな。
為昌(氏康の弟で、氏綱の次男)も病気がちになっておるし、私もいつ何があるか分からん。
何かある前にそろそろ氏康に家督をゆずることも考えておかねばな。
とりあえず今日はもう寝るとしよう、どうにか私が無事なうちに鶴岡八幡宮を再建したいものだ。
まだ氏政くんは自力で動けません(笑)
第4話くらいからはせめて身動きとれるようにはしてあげたいと思います。
あと、今のところ独白ばかりになってしまうので書き方と展開は悩みながらも勢いでどうにか書いていこうと思います。
とにかく考えて悩んでるよりどうにか書いていかないとなーと考えてます。
どうにか氏綱さんを出したかったので氏政くん生後数か月状態での第3話となって参りました。