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第10話

ながーーーーーーい活動停止申し訳ございません。

もうだいぶん存在を忘れられてそうですがどうにか更新してみました。

次の11話も7割がたできあがってますのでどうにか明日にUPできるように頑張ります!


なかなか仕事の方が落ちつかずずーっとドタバタとしておりました(涙)

プラス、他のすごい方々の作品を読んで大分悩んでスランプになっていたりも(笑)

結局悪かろうがとりあえず書いていくしかないと思い至って活動再開でございます。


まだまだ仕事の方が落ちついてないので更新はゆるーりとなりそうですが出来るペースで頑張って参りますーーー。。。。

輝け、栄光の三つ鱗 第10話


---西暦1543年(天文12年))5月 小田原城 


最近気が付いたけど、言葉のたどたどしさが無くなっていた。


これが成長か!


素直に嬉しい限りだ。


まぁ、日々お勉強の日々がそうさせたのかもだけどねぇ……。


今日も今日とてお勉強です。


「松千代丸様、何か上の空のようですがちゃんと拙者の話を聞いて頂いておられますかな?」


ちょびヒゲ親父が気分を害していますよという顔でこっちを見てくる。


すいません、あまり聞いていませんでした……。


「まったく……、普段聡明な松千代丸様も時に話を聞かずに呆けていらっしゃる時がございますな。何を物思いにふけっていらっしゃるか分かりませんが人の話はちゃんと聞くものですぞ」


ぶちぶち小言を言うちょびヒゲ先生。


あまりにも言っていることが正しいので何の反論も出来ねぇ……。


「まぁ、小言はさておき話の続きですな。二月程前、殿が古河公方であらせられる足利晴氏様と氏綱様亡き後も関係は引き続き変わらないことを確認しあっておりました。代変わりして間も無い今後ろ盾である晴氏様とはしっかりと関係維持していかねばなりません。我々が扇谷・山内の両上杉と戦いを続けるにあたってこれ以上ない大義名分になってくださっておる御方ですからな」


今日のお勉強は外交の歴史お時間。


最近の北條家の外交活動に対して何故?というところを教えてくれています。

何故?を説明しようとすると歴史にも繋がってくるわけでこの時代のドロドロした事情を色々教えてもらっている。


上杉家は関東管領として古河公方家の補佐兼京都の足利幕府から送り込まれている目付役というのが本来の役目だ。

だから、古河公方家の部下でもありながら幕臣でもある。

正確には古河公方家も幕臣になるわけなんだけど。


じゃあ、古河公方家はというと本来は鎌倉公方として関東統治の為に設置されたものの補佐の上杉家と揉めて補佐のはずの上杉家に反乱を起こされて関東一円巻き込んでの戦を繰り返し、あげく今度は上杉家内で大争いして関東一円巻き込む騒動になっていたりするという泥沼の極みだ。

もともと鎌倉にいた公方家は繰り返す戦乱の中で滅亡して新たに古河公方家が誕生している。


100年以上前から大なり小なりでこのあたりの争乱が繰り替えされているのが関東の実態なわけだ。

戦国時代は応仁の乱から始まったと俺の習った歴史では言われていたわけだが実際に関東はというと上杉禅秀の乱という関東管領の反逆から数えるのが一番正しいと思う。

なんと応仁の乱から遡ること51年も前の話だ。


元の役目がそれぞれあるとはいえ、代を重ねるごとにそれぞれの本来の役目を見失いしょっちゅう勢力争いを繰り広げていく関東管領上杉家。

どこか勢いのある勢力があるとすぐに集合離散を繰り返しては戦にあけくれる関東国人衆によって民は虐げられ続けてきたわけだ。


ただし、この時代の守護大名・国人もなかなか権威から完全に独立して活動するということもなかったのでどうしても足利の血統や高位の役の人物を御輿にすえて争っていることが大半だ。だから上杉と戦うにしても本来上杉家の主君である古河公方家を御輿にかつぐことで大義名分を北條家が得るということが大事になってくるわけだ。関東の諸勢力を北條家につかなくとも上杉家につかないようにするために必要になってくる。


「周防守殿、御輿として当家に古河公方様が必要なのは分かりました。しかし、古河公方の晴氏様は亡きお爺様の娘婿にあたり父上とは義理の兄弟。あらためてそのような関係確認というのは必要だったのでしょうか?」


素朴な疑問だ。


なお、古河公方・足利晴氏は俺からすると叔父さんだね。


一回も会ったこともないし全く実感ないわけけど。


「松千代丸様、この乱世は実の親兄弟でも争うことが多々御座いまする。そのような中で義理の関係などあまりあてにはなりません。それゆえに殿は晴氏様と今後についてのご確認をなさった次第」


理屈は分かる。


でも、その理屈なら口約束的に確認しあってあやしいということになるよね?


「周防守殿、義理の血縁があてにならないということであれば口約束で確認したとてあてにならないのではないでしょうか?」


「……っ、松千代丸様はやはり聡い。その通りで御座います。もちろん、口約束自体はあてになりませぬ。しかしながら、確認して晴氏様の口から今後も変わらぬ付き合いをと仰って頂くことがまず重要。何故ならそういうことを言った事実は残りますからな。その上で晴氏様が突如上杉に付くなどということがありますと約束を違えた不義理として抗議できる点がありまする。まぁ、その点は弱いですが。一番の狙いはこの話をした際の反応で本音を探るというところで御座いましょうな」


ちょびヒゲ親父がニヤリと笑って答えてくれた。相変わらずヒゲをいじっている。


「まぁ、当家の御輿として過ごされている今特に御不満もあるとは思えませぬが上杉側の甘言に乗せられぬとも限りませぬ。それゆえ油断せず警戒することが必要ということでございますな」


結局のところ、その後の様子を見ていても父上がどう感じたのかというのは伝わってくるかのようだった。

河越城を守る城代は北條一族の北條綱成叔父上。

父上の信頼厚い地黄八幡の勇将で、北條の五色の備えの黄を預かる猛将中の猛将だ。

北條家が誇る超重要人物がずっと河越城に配置されているということは河越城が最前線かつ超危険地帯という認識をしているという証拠だろう。


そしてちょびヒゲ親父から聞くところによると少しずつ少しずつ通常の物流に織り交ぜながら河越城へ兵糧を運び込む量を増やしているという話だ。

結局、父上は古河公方が裏切って上杉について攻め込んでくる可能性が高いと見ているのではないだろうか?



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