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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第92話 俺、尋問する

「さて? 何処かな〜?」

「ゲインさん、一体何をやってるんですか?」


 今、俺とリズロ君の眼前には巨大な白い鉄の塊が横たわっている。

 臨戦態勢を解除した俺達は巨大天使に降り立つ。

 鬱蒼とした森にミスマッチな白く輝く鋼を軽く叩くと、カンカンという音が俺の耳に届いた。


「いや、どうにかして中に入れないかなって」

「え? 中に入るんですか? 入ってどうするんです?」

「いや、ネメシスの話によると、生命反応があるらしい。色々聞きたい事もあるし、どうにか出来ないかなって」

「え!? この天使の中に人が乗ってるんですか?」


 リズロ君は目を見開きながら天使を見つめる。


「そりゃあそうよ。基本的にスーパーロボットタイプのパワードギアは人が操縦する様になってる。でか過ぎて普通のフィールドじゃ使えないから、もっぱらレイド戦専用みたいな位置付けだけど。一応手加減したし、サイクロン・カイゼル・クラッシュの始動技で上空にぶっ飛ばしただけだから、死んではいないと思う」

「大変だ! はやく助けないと!」

「まぁ、俺もこの機体の事聞きたいし、とっとと入り口探して中入ろう。ネメシス、自分で探すのダルくなったから入り口をサルベージしてくれ」

「承知しました。顔部分にそれらしき入り口がある様です」

「さ、流石ですね……」

「当然です」


すっごいドヤ顔してる。煽ったら拗ねるんだろうなぁ……。


 俺は煽りたい気持ちを抑えつつ、リズロ君と共に巨大天使の顔へと移動する。

 この機体の顔は女性の顔を模したデザインとなっている。よく見ると左目だけ水色にペイントが施されており、そこが入り口となっていた。取っ手が付いており、上に上げると簡単に中に入る事が出来た。


 操縦席の横には薄水色のローブを着込んだ人が倒れていた。

 俺はローブの人物に駆け寄り、頭のかかったローブを退けるとピンクの髪に真っ青なメッシュが入ったド派手な髪を目にする。顔の覆っていた白い仮面を外す。額から血を流す彼女の顔には見覚えがあった。


 この人王女の部屋にいたメイドじゃん。このカルトの教信者だったのか。


「女性じゃないですか!? い、生きてるんですよね!?」

「あぁ……。そうだね……」


 俺は彼女を抱え、ルームキーを取り出し回すと白く輝く扉が現れた。


「何を!?」

「怪我直して目を覚ましたら、彼女を尋問する」

「尋問!? 何のために!?」

「さっき言ったでしょ。色々聞きたい事があるって」

「どういう事ですか……?」

「このローブと女に見覚えがある。この女は王女の侍女やってた奴だ。大方、王女の暗殺に失敗したんで鉄砲玉にされたんだろ。リズロ君は王都に戻った方がいい。これ以上首突っ込むと面倒な事になるよ。無理やり連れ出して悪かった。王都に戻ったら、極力外出するなと皆に言っといてくれ」


 俺は扉を足で開けると扉を潜り、ロビーの螺旋階段を昇っていき、自室へ入ると椅子に女性を座らせる。

 俺は、インベントリからロープを取り出し、彼女の躰にロープを巻き椅子と彼女をガッチリ固定させる。


「おい、起きろ」


 俺は彼女の頬を軽く手の平で叩く。


「う、ここは? 一体……?」

「ここは俺の部屋だ。お前に聞きたい事がある」

「フッ、馬鹿な異教徒めがッ! 私が口を割ると思っているのか!」


 俺は喋っている彼女の口に指を思いっきり突っ込む。


「舌噛んで死のうとしても無駄だ、やめときな。できれば手荒な事はしたくない。教えてくれないか? あの機体はどうやって手に入れた?」

「おひえるわけないふぁろ。わがめ!」

「そうか……、しかたない。リン! ちょっと来てくれ!」


 俺が声を張り上げるとドアが開き、ツインテールの女の子が入ってきた。


「呼んだッスか? 先輩? ファッ!? どういう状況ッスか!? その女の人誰ッスか!? 何で口の中に指突っ込んでるッスか!?」

「説明しなきゃ駄目か!? 凄く難しいんだが!?」

「エロ同人ッスか!?」

「お前そのフレーズ大好きかよ!? でも、違うぞ! 断じて違う! 今この女が舌を噛み切ろうとしたので、仕方なく指を突っ込んだのだ! で、頼みというのはちょっと代わって欲しい!」

「嫌ッスよ! 何で私が! てか、誰なんすかその人? 変なローブッスね? まるでマスクドブレイバーFに出てきた敵幹部みたいッス」

「そうか! その手があった! 良いかよく聞け! こいつは悪の首領に鉄砲玉にされた所を俺が捕まえたのだ!」

「き、きふぁま!! きょうおうしゃまにむふぁっれ!!」

「悪の首領!? マジッスか!? 特撮ヒーローみたいッス! わかったッス! 手伝うッス!」


 リンが女の後ろに立つと両手の人差し指と薬指を口の中に突っ込んだ。

 俺は人差し指を引っ込め、インベントリからある物を取り出す。


「まさか、こいつをこんな事に使う羽目になるとは……」

「なんすか? その真っ青なバナナは?」

「こいつはオレンナっていうバナナの形したオレンジなんだよ」

「へぇ、美味そうッスね」


 俺はオレンナを1本千切り、皮を全部剥ききると、女の口の中に勢い良く突っ込んだ。


「モガッ!?」

「これを使って今からお前を尋問するからな」

「女の人の顔真っ赤になってるんすけど、大丈夫なんすか?」

「今、俺が食わしたオレンナとかいうフルーツはだな? 皮を全部剥いて食べると……」

「食べると?」

「この世のモノとは思えないくらい酸っぱくなるらしい。彼女にはそれを堪能してもらうと思う」

「いいすかね……? ヒーローっぽくない気が……」

「良いか? こういうのはコラテラルダメージと言ってな、必要な犠牲なのだよ。大人の世界とは残酷なのだ」

「やっぱり何かヒーローっぽくないッス……」

「シャラップ! 俺はこれでも手加減してるんだぞ! 男だったらば、小指の骨1本へし折って聞き出してやろうと思っていたのに! 何で女なんだ! これ以外に良い手が思い付かんのだ! さぁ、とっとと言わなければますます苦しくなるぞ!」


 ――それから10分後――。


「すげぇ! あれだけあったオレンナがあと1本だぞ!」

「先輩、10分前とテンション違くないッスか?」


 俺部屋にはちょっとした青い房の束が出来ていた。彼女はたった1人でオレンナを食べ続けている。


「女スパイ君! ここは完食しよう!」

「きふぁま! わらひをなんらとおもっへいるろふぁ! かはらずれんはつがきふぁまにおとふれるれあろう!」

「天罰だが何だが知らんが、とにかく良し! 最後の1本だ!」


 俺は最後の1本を女性の口に突っ込む。


「ムガアアアアアアア! れったいこうかいふぁふぇてやるううううう!!」


 口に入れた瞬間、女は白目をひん剥き、口からオレンジ色の泡を吹いて動かなくなった。


「素晴らしい根性! 俺は君に敬意を表する!」

「で、どうするんスか? この人?」

「ヤベ、結局何の情報も得られてないじゃん! どうしてくれんのこれ!」

「私に言われても知らないッスよ!」

「1つ宜しいでしょうか」

「ネメシスどうした?」

「彼女を束縛に成功した時点で、サイコメトリーを使い、脳から直接情報を読み取れば良かったのでは?」

「あっ……」

「え、先輩そんな事が出来るんスか?」

「忘れてた……」

「えぇ……」

「地味なスキルとか一々覚えてないからね。しょうがないね」


 俺が開き直った瞬間、画面上に通知音のアイコンが点滅した。


「もしもし、リズロ君どうしたー?」

「大変です! 外! 外見てください! また来たんです!」

「また天使かぁ、壊れるなぁ。まぁ、尋問失敗しちゃったしちょうどいいかな」

「どうしたんスか?」

「敵だよ敵」

「私も一緒に行くッス!」

「ああ、良いよ」


 俺は無詠唱でエクストラヒールを起動し、額の傷を治し、女性をベットに寝かせ、リンと共に自室を出てそのままホームを後にする。

 外に出た俺が見たものは全長1000メートルをゆうに超える、雲を突き抜ける超巨大な白い謎の物体だった。

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