表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/195

第8話 俺、依頼を受ける

 俺はギルドマスターのヴァルガスに催促され部屋の中へと入る。


「ここが、俺の部屋だとっとと入れ」

「あぁ」

「で……改めてって所なんだがお前何者なんだ? なんでこの街に来た? 

 お前がべらぼうに強ぇのは、実は闘う前からわかってた。ひと目でわかったぜ。こりゃ、やべぇのが来たなってな」


 ニヤつきながら俺を、舐め回す様に見てくるヴァルガス。


「えっと……、俺は武者修行の為に山奥で暮らしてたんだが、全ての修行を終えたから人里に降りてきたんだ」


 俺は、いつか誰かに聞かれると思ってネメシスと共に作った身の上話を話す。


「ほ〜う、そうなのか。ずっと気になってたんだが、お前のつら見てみたいんだが良いか?」

「ん? ああ、構わないよ」

「それフルプレートだろ? 外すの手伝ってやる」

「いや、大丈夫だ」


 俺は後頭部の首の付け根辺りに、グッと両手の親指を押し込む。するとプシュー……と空気が漏れ出る様な音がし、小さな煙を上げると外格のヘッドが外れる。


「全く、お前を見てると退屈しねぇな」

「そりゃどうも」

「黒髪に黒目か珍しいな。目つきはわりぃーが中々いい面してんじゃねーか」


 この世界の住人の髪や目は皆、かなりハイカラな色をしている。

 黒髪黒目は珍しいらしい。


「うっせぇな、顔なんてどうでもいいんだよ。で? 話ってのはもう終いなのか?」

「いや、これからが本題よ。俺、直々にお前に依頼を出す。

 ここから西へ12キロ程行った森にいるある人物の様子を見てきて貰いてぇんだ」

「どんな奴なんだ?」

「お前みてぇにある日フラッっとこの街に現れた女だ。最初はこの街に暮らしてたんだが、20年位前に突然発狂しだしてな。この街を出て深緑の森に引きこもっちまったんだ。お前程ではねぇと思うがなかなかに強者だったぜ」

「その女のジョブは?」

「よく分からねぇ……いっつも何かしらの護衛がその女の傍らにいてな、こっちの話も聞きもせず護衛が威嚇してきやがるもんで、らちがあかねぇのよ」

「そりゃ……まさかサモナーか?」

「サモナー? なんだそりゃ?」

「い、いやこっちの話だ……その依頼是非、受けさせてもらう」


 間違いない。そいつは同郷だ。やはり俺以外にも転生者がいたか。


 しかし気になるな。発狂したとはどういう事だ?


「発狂したっつーのは具体的にはどういった感じなんだ?」

「ある日いきなり泣き叫びながら、絶対許せないだとかどうか言いながらここを出ていったんだよ。人当たりがいい女だったんだがなぁ」

「ほーん、まぁよくわからんが別にいいぞ。どうせ暇だし」

「そうか! じゃあよろしく頼むぜ」

「んじゃ、ちょっくら行ってみるわ」


 俺は踵を返しヴァルガスの部屋から出ていくのだった

ご感想待ってます。

4/8日加筆修正

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ