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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第65話 俺、デュアルの存在を知る

「アーサー! 大丈夫か!?」


 俺はアーサーのもとに駆け寄る。

 見ると相当緊張していたのか、ギマカから手を離し、地べたにへたり込んでいた。


「ナイスエイム! よくやったよお疲れ」

「ハ、ハイ。死ぬほど緊張しました」


 俺はアーサーの肩を軽く叩き激励する。


「いや、ビビったぁ。しかし、よく当てたな」

「なんとかしなきゃと思って! 本当に当たってよかったです!」

「うむ、そうかそうか。よし皆を元に戻そう」


 俺がアーサーから離れた瞬間、俺は目の前に写った光景に我が目を疑う。

 いつの間にか生首だけのロンメルが俺を睨んでいたのだ。


「どうやら、まだ終わりじゃないっぽいな」

「お師匠様!――」

「わかってる! お前は距離を取ってギマカを構えろ!」


 俺達は臨戦態勢に入り、成り行きを見守っていると、ロンメルはため息をつきつつ喋り出した。


「もう何もしねぇよ。と言うより出来ねぇし」

「お前生首のままどうして生きてんだ!? マジで化けモンになっちまったのかよ!」

「ああ、お前のいう通りだ。俺は王女様に手を出した大罪人で生きてる価値のない化けモンさ」

「攻撃してこねぇのか?」

「もう魔力がねぇ。文字通り手も足も出ねぇな。

 何故、俺がまだ生きてんのか俺自身もわからんが、好都合だ。死ぬ前の頼みを聞いてくれねぇか?」

「なんだ? 俺のボディはやらんぞ?」

「違うわボケ。――王座に、王座に座らせて欲しい」

「……わかった」


 俺はロンメルを両手でしっかり持ち、王座へ座らせた。


「――なんで、こんなことになっちまったんだろうなぁ。」

「俺が知るか。日頃の行いが悪かったんじゃねぇのか?」


 俺の皮肉を聞いてロンメルは爆笑しだした。


「フ、ハハハハハハハ! 違いないな! ハァ……お前に俺をこんな目に合わせたクソ野郎の事を教えてやる。

 名はグルーヴ。デュアルとか言う種族で、でかくて黒いスライムみてぇな奴だ。気味の悪い緑の仮面を被ってやがる。

 俺の着ていたローブも奴から譲り受けたもんだ。それと、赤い腕輪だ。あれを付けた途端意識が乗っ取られた。

 探せ、ぶっ壊れてなきゃ謁見の間のどこかにある」

「黒いスライム……あれか」


 俺は杭を打ち込んだ時に出てきたバケモノを頭に思い浮かべた。


「あのくそったれの目的はわからねぇ。だが、精々気をつける事だな。

 それと、王女様に申し訳ありませんでしたって伝えてくれ」

「ああ、わかった。必ず伝えとく」


 俺がそう言うとロンメルが目を閉じ、青い光のようなものがロンメルから少しずつ抜けていく。


「始まったか」

「お師匠様これは?」

「ロンメルの体からマナが抜けていってるんだ。俺も見るのは初めてだ」


 やがてロンメルは青い光の粒子となり、天へと登っていった。


「ナンマンダブ、ナンマンダブ。生まれ変わったらもっと温厚になれよ。短気は損気だぞ」


 俺は手を合わせスリスリしていると、粒子が消えたと同時に空間を覆っていた黒い膜も、石化していた人達も、皆元へと戻った。


 余談ではあるが、元に戻った臣下達が部屋の惨状を見た瞬間、再び石のようにコチンコチンに固まっていた。





 ◆◆◆





 ゲインがロンメルに対して合掌していたその頃、薄暗い研究室でスライムが発狂していた。

 彼の種族はヒーローとロボットのマナが突然変異を起こし、モンスターを取り込み融合・合体し誕生したのが複合種族デュアルである。

 グルーヴの場合はダーク・シュタール・スライムという、スライムの最上位種にあたるモンスターをボディに選んでいる。

 黒く微妙に光沢のあるボディは、一見柔らかそうに見えるが、その実オリハルコンと同等の硬さを誇る。


「何故!? どうしテ反応がいキなり途絶えた!? 一体何が起コった!?」


 グルーヴが半狂乱になりながら叫び、腹の辺りから生やした触手で机の上に置いてあるフラスコ類を叩き落とす。


「青天の霹靂! い、行かナくては! 今スぐ! 検証するノだ! こうしテはいられない!」


 グルーヴが研究室から出ると、透き通った4枚の羽をなびかせながら、妖艶な顔立ちの女性が舞い降りた。

 彼女の名はヌゥ。キラークイーン・ビーという蜂型モンスターとロボットのデュアルである。

 ロボットとの合体の影響か、彼女のでん部には毒針ではなくビッグ・ブースターが融合している。

 両目は黒い複眼レンズのようになっているが、見た目は人間の女性と相違ない。


「や、やぁどうも、こんニちわヌゥさん。私至急の用事が出来マしたのでチょっと出かけようかと――」

「ふざけるな」

「え?」

「ふざけるなと言った。私が知らないとでも思ったか? グルーヴ、貴様が時たまここを抜けだしていることなど百も承知。

 会議を無断欠席、あまつさえ魔王さまのご意思をも無視し、好き勝手に動くとは! 今日という今日は参加してもらうぞ!」

「で、でもデすね! 実験材料が突如消失しタんです! これはモう実際何が起コったのか、実際に赴キ、状況再現ヲ――」

「うるさーーーーーーい! 今すぐ私と来い! 私は魔王さまからこのジオフロント全体並びに、人員の管理を一任されているのだ!

 すなわち、私の言葉は魔王さまのお言葉と同等! 貴様に拒否権はなーーーーーい!!!」

「……ハイ」



 地下深くに築かれた”超巨大地下要塞ジオフロント”遥か昔、ロボットという種族の根城だった城にヌゥのヒステリックな叫び声が響いた。

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