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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第171話 俺、久々に爆笑してしまう

 皆食事が終わり好きに駄弁(だべ)ったりしている。

 俺はというとベッドに横になり、タバコを吸い続けている。


 序列入りは果たしたし、あとは適当に処理しながら1位を目指すか。

 それよりアーサーの事だな。悪魔を察知できる能力について深く聞いておいたほうがいいだろう。


「アーサー、ちょっとこっち来てくれるか?」

「はい、お師匠様!」


 アーサーがニコニコしながら俺に近づいてきた。


 俺は窓からタバコを放り捨てて彼に向き直る。


「あのさぁ、お前の能力で悪魔を察知できるやつあるじゃん」

「ハイ」

「その能力の詳細を教えて欲しいんだけど」

「ハイ、このスキルは悪魔がいる土地が感覚でわかるんです」

「例えば大きな泉や湖畔があったりしたら水中にいるのがわかったりする訳?」

「いえ、そこまで細かくはわかりません」

「ふーん、ただいるって事が漠然とわかる訳ね」

「その通りです!」

「了解、ありがとー」


 ならば問題はないか。ここでの用事が全て終わったあとでルシファーを呼び出して変えてもらえばいい。あの戦槌を持ったデカブツとでも戦ってもらうとするか。


「そういえば見たよー、お前の戦いぶり。俺に黙ってエスカと訓練してたのか?」

「あの戦いを見ていらしたんですか? そのぉ……お師匠様は忙しそうでしたので、エスカさんは王立騎士団の副隊長ですしきっと学べる事があると思いまして」


 急いては事を仕損じるとはこの事か。失策だな。アーサーの件の能力を意識するあまり、本来俺がやるべき事柄を結果的にエスカに押し付ける形になってしまった。

 見たかったな〜。アーサーの新しい(スキル)が生まれる所。


「お前のさぁ新しい技あんじゃん」

「まだその……こう……なんと言いますか」

「しっくりこない?」

「そうなんです」


 あの斬撃スピードと剣士でありながら、斬撃を飛ばすとかいうむちゃくちゃな技を作っておいてしっくりこない(・・・・・・・)だと。


「へへへハハハハアーハハハハハ! あー久々に爆笑してしまった」

『うっわ、けんちゃんがマジ3段笑いしてる。明日は雨だ』


 俺は無意識にアーサーの頭上に手を置き、キューティクルな髪をぐしゃぐしゃにしていた。


「面白ぇ奴だお前は」

「あ、ありがとう御座います」


 正直オレもフラストレーションが溜まっていた所だ。ほんの少しだが楽しませてもらってもいいかもしれん。


「アーサー、お前に言っておくことがある」

「なんでしょうか」

「俺は序列入りを果たした。次はお前等と戦う事になる」

「なっ!? 言ってよろしいのですかお兄様!?」


 エスカが立ち上がるのを見て俺は右手を差し出し、それを見た彼女はピタリと止まった。


「お師匠様なら必ず追いついて来ると思ってました。実はあの戦いで使ってない技がまだあるんです」


 そうだ、こいつは俺の弟子だ。こいつも感じはじめている。(いただき)へと向かう楽しさを。


「ほう、それは楽しみだ。アーサー、いい死合いにしよう」

「ハイ、お師匠様」

「いやいや駄目っスよ!」


 せっかく張り詰めた心地いい空気が一気に離散するのがわかった。


 アーサーの後ろから紫色をしたツインテールの女の子が現れ、そのまま彼の腰に手を回し頭に鼻をくっつけながら座り込んだ。


「リ、リンさん!?」

「嫌ッス! 嫌ッス! 先輩みたいな化け物と戦ったらクンカクンカできなくなるッス! それにヒーローっぽくないっす! これが終わったら俺結婚するんだ並の死亡フラグっす!」

「てめーアー君から離れろ変態女!!」


 珍しくシリアルだったのに。どうしてこうなった。


「と、とにかくいい戦いにしよう」

「はい、勿論です」

「っていうか疑問なんすけど!」


 リンが上目使いで俺を睨みながら手を上げている。


「んだよ」

「先輩何で戦ってるんスか。意味なくないッスか」

「俺が戦っちゃいけねーのかよ。そういうオメーはどうなんだよ」

「いや、先輩は強すぎだから!」

「そういう意味じゃねーよ! お前こそ戦うに値する理由! 理! 因果! 仁義はあるのかって聞いてんだよ!」

「あるッスよ」

「えっあるの?」

「なんスかその反応! あたしは先輩みたいに血に飢えた狼じゃないッス! この都市に来てからあたしの先生達が騒がしいス! めったに出てこないクトゥグア先生が勝手に出てきて大変だったんスよ〜。なんか変身できる数むちゃくちゃ増えてるし、あたしの知らない先生までいるしー。戦わないと先生達が落ち着かないんすよ〜。だからアーサーきゅんと戦ってるンす」

「私を当然のように無視すんなボケ!」


 そういえばあの地下に初めて来た時、リンは炎の化身みたいな姿で何かわめいてたな。


「あの炎の姿はなんだったんだよ」

「あれがクトゥグア先生ッスね。炎でドバーッて全部燃やし尽くしちゃうンす。滅多に出てこないんすけど年中無休で文字通り烈火の如く怒ってるッス。先輩と相性良さそうッス」

「なるほどな〜っておい! 誰がいつも怒ってんだよ!」

『けんちゃんはこれが素なんだよなぁ』

「とにかく! ぶっちゃけ組み手でいこうと思っていたが、アーサーがやる気になっている事は喜ばしい事だ。戦士に対し手を抜くなんて事は無礼千万(ぶれいせんばん)! 互いに死力を尽くして戦おう!」

「ハイ!!」

「マジかよ。聖水多めに準備しとくか」

「先輩こうなったら正義の味方(ヒーロー)の真髄をとくと見るッス!」

「いいだろう、お前等の力俺が推し量ってやるわ」


 アーサーがリンの手を解くと、俺から離れドアへ向かった!


「じゃあ行きましょう!」


 アーサーに続いて彼女達は部屋から出ていった。

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