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アーマード勇者育成記 最強強化外骨格チートで異世界蹂躙! 男の娘勇者を育てて神をぶっ殺す件  作者: からくり8


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第143話 俺、神になる

「れ……」


 なんだ?

 誰かが俺を呼んでいる?


「戻るがいい……。まだお前は私との(りつ)に触れるべきではない。自身の律へと帰れ」

「フフフ……そうだな。今の此奴では耐え切れまい。まぁ任せておけ。……名だけでも教えてやったらどうだ?」


 目を開けることができない。何を言ってる……? 聞き覚えのある声と、全く知らない声だ。 お前はなんだ?


「いいだろう。私の名は――」


 軽かった躰が急激に重みを増すのがわかる。


 夢見心地だった感覚が一気に消え去り、言いようのない程の強烈な吐き気に襲われる。


 俺は目を見開き、胃からせり上がってる()を口内へ迎い入れそのまままた飲み込む。

 嫌な汗が全身からダラダラと流れ出す。下半身を見て今初めて全裸であることに気がつくことができた。


「なんで俺……全裸なんだ」


 立ち上がるが、足元がおぼつかない。まるで全身麻酔手術を受けた後のようだ。頭がふわふわする。


「ここは……なんだ?」


 木の根で作られた空間の様なところで俺は寝かされていた様だ。


 あのノーパン灰色エルフにフレンチキスされてトリップ後の記憶が綺麗に抜け落ちている。


「なんだってんだ……クソ……クラクラする」

「お目覚めになられました!」


 そう言って部屋に入ってきた女エルフが、近づいてくると俺の両手を手に取り(ひざまず)いた。全裸で。


 えっなになに急に? しかもなんでこの人裸なの?


 彼女の声がきっかけか、部屋にエルフ達がなだれ込んできた。

 その中から下半身丸出しのエルフが俺の目の前までやってきた。


「我らが救世の神エクス様。御身の前に我が醜悪なる躰を晒すのをお許し下さい」


 そう言ってエルフは俺に向かって頭を垂れる。


 一体何の茶番だこれは……。救世の神エクスって俺の事? やべぇ、まだ俺トリップしてんのか。未だに頭がふわふわしてるし、考えがまとまらねぇ。


「あの〜色々と聞きたいことが山ほどあるんだけど」

「ハイなんなりと」

「えっと……まずその……できれば2人で話したいと言うか……」

「承知しました。みな散れ!」


 そう彼女が言うと、周りにいたエルフ達が俺と彼女を残し皆出ていった。

 はぁ、良かった。他のエルフ、特に女性エルフ達のあの野獣の眼光は暴走状態になったエスカの眼と一緒だったからな。例のあの匂いも漂ってきてたし……これはどういう事だ? なんで普通のエルフ達からあの()いがするんだ。いや、まさかな。あり得ない。俺は礼節ある男だからな。うん。


「質問とはなんでしょうか……神様……」


 あっやべぇ。つい考え込んでしまった。


「まず名前は? あと俺の服は?」

「私の名はホスゲンと申します。御身の服でしたら、私の間にございます」

「じゃあ取ってきて貰えます?」

「その必要はございません」


 そう言うと彼女は両手を自身のへそに突っ込み出した。手がみるみる腹部に飲み込まれていき、へその中からきちんとたたまれた俺の服が出てきた。


 彼女は俺の足元へ持ってきた服を置くと立っていた位置へ戻っていった。


 なに今の。やっぱ幻覚がまだ続いているのか? 手を躰の中に突っ込んだぞ……。


「ど、どうも」

「いえ」


 俺は服を着てから呼吸を整え深呼吸した。


 よし、だいぶ頭がスッキリしてきた。


「さっきのあれは一体……」

「私はハイエンドエルフでして、その躰はマナの寵愛を一身に受けております。次元や空間を超える能力を扠すがりましてでございます。全ては聖樹ユグドラシルの加護」

「そ、そう……。」


 ハイエンドってゲーミングパソコンかよ。


「救世の神ってのは?」

「エルフに伝わる伝説にございます。世が乱れるとき、救世の神エクス現れり。我ら救い永劫の繁栄をもたらさん」

「ハハァ……」

「貴方様は帝国に囚われていた同胞達をお救いになり、種を我らにお与えくださいました。人間達に忌み嫌われ、蔑まれる黒エルフと何度も躰を重ねているのも、我らを思ってこそ。貴方様こそ伝承の神エクス様に相違ございません」


 さっきから何を言っとるんだこのエルフは? ちょっと待てよ。種って何の話だ?


「種ってなんの事?」

「私を含め、雌であるエルフと子づくりして頂きました。発情した我らを臆することなく、里にいる全ての者に貴重な種をくださったのは神の証明にございます。ここに過去幾人かの人間が来訪されましたが、最後まで立っておられたのは貴方様が初めてです」


 そんな記憶全くないぞ。だから女エルフの俺を見る目が気絶する前と違ったのか。


「そ、そう……。ここに来た人間達はどこへ?」

「いずれの人間も途中で力尽き、亡くなってしまいました」


 暴走状態に入ったエスカにとり囲まれている自分の姿が脳裏に浮かぶ。


 テクノブレイクか……。そら、あんなのに何百人と囲まれたら腹上死不可避だろうなぁ。


「エルフは生きとし生ける生物の中で、最も淫らな種族なのです。一度でも躰の中で性欲が湧き上がったら最後、発散するまで止まる事はありません。――異性であろうが同性であろうが」

「うん……よく知ってる」


 マジかよ。種族単位でド淫乱なのか……。エスカのあれは種族として極当たり前の反応だったとは。

 いやだとしても、こちらとしては堪ったもんじゃないんだけど。


 しかも同性もイケるとか、これもう死ぬ程美女とイケメンになったボノボじゃん。


「時に聞いてもよろしいでしょうか。我らが神よ」

「答えられる範囲なら」

「黒エルフとは子供を成せましたでしょうか?」

「子供!? いやいや! そんな暇ないし!」

「何度躰を重ねられましたか?」


 一緒に寝るって約束してから……ほぼ毎日相手してるよな……。


「恐らく……50回以上は」

「素晴らしい……。純愛を成った黒エルフがこの世に存在し、その相手が我らが崇める神。そして幾度と躰を重ねているにも掛からわず子を成す予兆が未だ見られぬとは……。我ら神よ。お願いがございます。是非その黒エルフ、ここに顕現させる許可を頂きたいのです」

「え、エスカをここに?」


 んーどうなんかなこれ?

 そもそもエスカは俺が作り上げた存在で純粋なダークエルフじゃないんだが……。まぁいっか。問題ないだろう。


「じゃあ一度ここ出てから連れてくるわ。出口教えてくれます?」

「その必要はございません」


 えっ?


 彼女はまた自分の両手をへそに充てがう。


 ま、まさか……。


 面食らっている間に彼女のへその中から、見覚えのある赤いガントレットが突き出てきた。

 そしてそのまま帝王切開された赤ん坊の如く彼女の腹からエスカが出てきたのだった。

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