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第12話 俺、イシスさんとお別れする

 鳥のさえずりで目を覚まし飛び起きる。


「夢……だったのか? あれは?」


 枕を見ると小さなしみが確認できた。


「夢じゃねぇ。確かに俺は記憶してるぞ……触手を持った黒い球体……あれがそうなのか」


 強烈な嫌悪感を躰が覚えている。あれは生かしておいてはいけない奴だ。そう俺の第六感が告げている。今は無理そうだが、落とし前はいつか必ずつける。


 ドアが開き、イシスさんがテーブルの上に分熱々に焼けた肉を載せた皿を置いた。


「おはよ」

「あんた俺を()めたな?」

「人聞きの悪い言い方しないでちょうだい。最初に言ったはずよ。倒せる人を待ってたって。倒せたんでしょ? なら、それでいいじゃない」

「倒せた……言うよりは退けたって感じだ」

「そ、そう……まあでもこうして生きてだんだからプラスよ。一応その……悪いと思ってるわ。お詫びにとっておきのお肉焼いたからよかったら食べていってよ。肉料理にはちょっと自信あんのよね」

「お……おう」


 椅子に腰掛け、フォークとナイフを使い切り分けて熱々の肉を口に運ぶ。


 香辛料がよく効いていて中々旨い。

ビールがあればいい塩梅のつまみになっただろう。


 俺は肉料理を平らげ、少し休憩してから口を開く。


「とりあえずベローアに戻るわ。イシスさんあんたの事は見つからなかったって事で良いよな」

「ええ、お願いするわ。あ、そうだ何かあった時の為に、アドレス交換しときましょ」

「ああ、そうだな。その方がいいか。しかし、改めて見るとイシスさんすげぇ格好だな」


 イシスはSM嬢が着るボンテージの様な姿をしている。


「しょ、しょうがないでしょ!? これが1番良い装備なの! 全ステータス5割アップするし、屈服させ安くなるスキルが付いてるの! あなただって、全身黒ずくめではたから見ると完全に悪役じゃない!?」

「いや、ヒヒイロカネ合金の加工で絶対に黒くなっちゃうんだよ、格好いいから全然良いけど」

「ヒヒイロカネ!? あんな取れるかどうかもわからない超絶難攻不落の鬼クエストクリアしたの!?」

「そりゃそうよ。ヤルダバオトⅧ式を完成させる為に、馬鹿みたいに通ったからな」

「1個だけじゃないの!?」

「んなわけないやん、一々覚えてないけど2桁は必要だった筈」

「正しくはヒヒイロカネx20、ギガントサイバードラゴンの尾x7、デーモンデスピアーの羽x5、真・機械皇帝アンティークオリハルコンギアの魂x1以上です」

「全部馬鹿みたいに強いモンスターばっかりじゃない!?」

「いや~、初めて素材見た時は無理ゲー過ぎてゲロ吐くかと思ったYO! HAHAHA!」

「それをやり切る貴方が怖いわ。今の女の人の声がAIってやつ?」

「その通り」


 俺の真上に魔法陣が展開され黒い姿の外格が顕現し、自動的に着装が完了する。


「イシス様、お初にお目にかかります。超高性能自律AIのネメシスと申します」

「あ、これはご丁寧に」

「さてと、じゃそろそろ帰るわ」

「倒した訳じゃないのよね? 良い? 無駄に目立つ様な事しちゃダメよ? 下手したら勘付かれるわ」

「わかったわかった、じゃあな!」


 俺はブースターを起動させ飛び立った。


「絶対にわかってないわね、間違いないわ」

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