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第六話 家族との食事

それから章吾と聖慈はこれからのことについて話し合った。

優慈と雫に聖慈のことを話すのは聖慈のタイミングに任すことになった。

章吾の口から話すよりも聖慈自身の口から話したほうがいいと章吾が言い、聖慈もそれを了承した。

それから普通の世間話、仕事のことや聖慈の家での雫のことなどを話していたら聖慈の携帯が鳴り響いた。

ディスプレイには『雫』と出ている。


「もしもし」

「あ、お兄ちゃん?いまどこ?」

「今、実家」

「今日お兄ちゃんの誕生日でしょ?雫がごちそう作って待ってるから早く帰ってきてね」

「お前も今から実家に来いよ。最近忙しいから顔出してないんだろ?」

「そうだけど・・・」

「大丈夫だって。今日優慈ロケでどっか行ってるらしいから」

「じゃあ、今から行くね」

「あぁ、じゃあな」


そういって聖慈は電話を切った。

やはり雫がこっちに来たがらないのは優慈がいるからみたいだ。


「雫、なんだって?」

「あぁ、俺が今日誕生日だからごちそう作って待ってるってさ。だから、お前も帰ってきてみんなで食おうぜっていうこと」

「で、雫は?」

「優慈はいないっていったら来るってさ」

「そうか。じゃあどっか外食するか?」

「そうだな。優慈には悪いけど行くか」


「俺が何だって?」


いきなり聖慈の後ろのドアが開いて優慈が顔を出した。

章吾から優慈は今日はロケで家には帰ってこないことを聞かされていただけに聖慈と章吾はかなり驚いている。


「優慈!?お前今日ロケじゃなかったのか?」

「むこうの不都合で延期だってさ」


優慈は椅子に座りながら答える。

椅子に座ってから優慈は聖慈に今の話を聞いた。


「で、俺に何が悪いって?」

「い、いや別に」

「ん、なんか隠してるな?」

「なんも隠してないって」

「そう。ならいいや」


そのとき玄関から物音が聞こえた。

母親は今旅行に行ってるので今この家に来るのは雫しかいない。

「最悪だ…」聖慈は頭を抱えた。


「ただいま〜」

「お、おかえり」


優慈は久しぶりに妹の姿を見て嬉しそうに答えた。

反対に雫は優慈の顔を見て呆然としている。


「え、・・・。優慈兄ちゃん今日ロケじゃなかったの・・・?」

「なんだよ。なんでみんな、俺がいたらいけないようなリアクションすんだよ!」

「ちがうよ。驚いただけだよな。な」


聖慈はなんとか優慈の機嫌を直そうとフォローをした。

雫に同意を求める時に優慈に分からないように合図を送った。

雫は最初何がなんだかわからないようだったがすぐに聖慈の意図が分かったようだ。


「う、うん。そうだよ。なんで優慈兄ちゃんをのけものにしなくちゃいけないのよ」

「そうだ。みんな揃ったしどっか外食に行くか?久しぶりに」

「そうだな。寿司なんかどうだ?」


聖慈は話を強引に変えた。

章吾もそれに乗った。優慈はなにか疑っていたが「寿司」という言葉を聞いたのですぐにこの話にのっかってきた。


「お、いいね。もちろん兄貴のおごりだろ?」

「いやいやいや、ここは親父だろ」

「俺?仕方ないなぁ」

「よし、じゃあ出かけるか」

「さ、はやく行こう」


それから準備して家族4人で食事に出かけた。

章吾の車で運転は章吾、助手席には雫が、後ろの席には聖慈と優慈が乗り込んだ。

母親がいないが久しぶりに家族での食事に皆楽しんでいる。

時々優慈に話しかけられた雫が戸惑う場面があったがそのときには聖慈と章吾がフォローをしたのでなんとか何も起こらずに食事を終えた。


店から出て、聖慈の部屋に近い場所で食事をしたので聖慈達は歩いて帰ることにした。


「よし、よく食ったことだし帰るか」

「じゃあ、俺こっちだから。親父ご馳走様」

「雫も」


聖慈の横に雫が嬉しそうに並ぶ。

それを見て優慈が口を開いた。


「お前まだ兄貴の部屋にいるのか?」

「いいじゃないか。雫の好きなようにやらせなさい。聖慈も一緒だしな」


章吾は雫が家に帰りたがらない理由を知ってるので優慈を説得するように言った。

本当の理由はさすがに言えないので『聖慈がいるから』という理由でなんとか説得をするようだ。

優慈も雫が聖慈を慕ってるのは分かってるのでまだ不機嫌だがなんとか納得した。


「おとうさん、ありがと。さ、お兄ちゃん帰ろ」

「分かった分かった。そんなにせかすなよ。じゃあおやすみ」


雫に手を引っ張られるように聖慈は歩きながら章吾と優慈に別れの挨拶をした。

店から歩いて10分ぐらいして聖慈の部屋に到着した。


「あ〜、よく食った」

「もう、お兄ちゃんだらしないなぁ」

「いいだろ。別に」


聖慈は部屋に入るや否やすぐにリビングに横になった。

雫はそれを見て少し呆れたような声を出した。


「はやく寝ないと明日仕事早いんでしょ?」

「そうだな。じゃあおやすみ」

「お休みなさい」


聖慈と雫はそう言ってそれぞれの寝床に入った。

二人とも今は違う部屋で寝ている。

聖慈と雫は満腹の効果も手伝ってかすぐに眠りについた。


あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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