第三十四話 妹のファン
次の日、雫の記者会見のニュースが放送された。
そのニュースに関するコメンテータの意見は2通りだった。
『兄妹の交際など認めるわけがない』
という意見。そして、もう一つは
『隠さずに伝えたこと。これはすばらしい。応援したい』
という意見。
聖慈と雫もこのニュースを見て心強かった。
まさか、自分達のことを応援してくれる人がいるとは思っていなかったのだ。
もっとたくさんの人に認めてもらうには簡単なことではないだろう。
だから、二人は今できることをしようと決めた。
聖慈は仕事へ、雫は学校へ行った。
聖慈は仕事で今までの失敗を取り戻すようにいつも以上に働いた。
雫も学校でいろんな生徒から白い目で見られたが優奈、夏美が雫にいつもどおり接し、雫もいつもと変わらない笑顔を見せた。最初は白い目で見ていた生徒だが、その日が終わる頃には前と一緒のように雫に接していた。
そんな生活が一週間続いた。
雫はやはり芸能生活は続けるのが難しくなった。
一度マイナスのイメージがついた女優が仕事をするには芸能界は厳しすぎた。
だから、雫は社長や朝倉と相談してサイン会を開くことにした。
そこでノルマを決めて、それを越せば芸能生活を続け、越せないなら芸能界を引退することにした。
そして、サイン会当日が訪れた。
その日は休日なので聖慈、優慈、優奈、彰人、大竹家族と勢ぞろいしてそのサイン会を見守ることにした。
会場の中に何人人がいるかは皆まだ知らない。
雫がドアを開けた。
そこには、今まで以上のファンが詰め寄っていた。
ファンは雫を応援してくれていた。
『雫ちゃん〜〜、頑張って〜〜!!』
『雫ちゃん、応援してるよ〜〜!』
雫はファンの声援に涙を流した。
聖慈は雫のそばに走り寄り、雫を抱きしめた。
聖慈へのファンの声援が聞こえる。
『雫ちゃんを大切にしろよ〜〜!!』
『雫ちゃんを泣かしたら殺すぞ〜〜〜!』
聖慈はマイクを手に取り、雫のファンに向けてしゃべった。
「もちろん雫を大切にする!泣かせたりもしない!だから俺達のことをこれからも応援してくれ!」
雫も聖慈からマイクを受け取り、ファンに向けてしゃべる。
「私のわがままでこんなことになってごめんなさい。でも、私はお…聖慈さんと一緒に生きていきたいんです!ですから私達を見守ってください!」
雫の言葉にファンが答える。
『もちろんだ!!』
そして、サイン会が開始された。
雫がサインをしている横で聖慈は立ってファンに一言二言話しかけている。
中には聖慈を殴ったり、肩を組んだりしてくるファンもいた。
サイン会が終了した後もファンの交流が終わることがなかった。
優慈も加わり、今まで優慈と雫が兄妹ということは公表されなかったがいい機会だからとこの場で公表した。
この事実もまたファンは驚いていたがすぐに受け入れてくれた。
予定された時間を過ぎてもファンは帰らずに聖慈と雫を応援してくれた。
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