第三十二話 兄妹から恋人へ
この話は法律の話がちょっと入ってきます。
が作者はよく知らないので適当で書いています。
ですから、読者の皆様も特に気にしないで読んでくださるとありがたいです。
質問をされても答えることはできませんのでご了承ください
「雫…」
「何?」
「実は…俺お前の本当の兄貴じゃないんだ」
「…知ってる。ずっと前から知ってたよ」
「え!?」
聖慈は雫が言った言葉に耳を疑った。
知っている…
いつから!?
「お前知ってるっていつから!?」
「お兄ちゃんが優慈兄ちゃんに伝えてたとき。あのとき私も聞いてたの。うっすらだけど」
「あの時に…」
「それから…少し前に戸籍を見たときにお兄ちゃんのところに『養子』って書いてたから…」
「そうか…。お前を外国に行かせたのはそれが報道されたからなんだ」
「え?」
「お前に拒絶されるのが怖かったんだと思う。だから、聞かせないように親父達のところに行かせたんだ」
「そうなんだ…」
「ごめんな。俺の勝手な判断でお前に寂しい気持ちをさせて」
「ううん!大丈夫だよ」
「一緒に日本に帰ろう?そしてまた一緒に暮らそう?」
「うん!」
聖慈と雫はまた抱きしめあった。
そして顔と顔を近づけお互いの唇を合わせた。
そこに章吾と真美の声が聞こえた。
「ラブラブだな…」
「ラブラブよね…」
「「え!?」」
「母さんや、今の見たかね?」
「ええ。はっきりとこの目で見ましたよ」
「親父!?お袋!?」
「いつからそこに!?」
「え?いつからって」
「雫が聖慈のことを知ってたって伝えたときから?」
「そんなとこから」
「…恥ずかしい」
聖慈と雫は顔が真っ赤になった。
それを見て章吾と真美は笑みを零した。
それから、4人で食事をした。
聖慈は両親に自分の戸籍について質問した。
「なぁ、親父。俺の戸籍って除けることはできないのか?」
「すでに除けてあるよ」
「へ!?」
「雫がこっちに帰ってきたときに実は優慈に頼んで除けてもらっていたんだ。絶対こうなると思ってたからな」
「そうよ。もっと早く迎えに来ると思ってたのに遅いわよ。もう少しで強引にくっつけようかと思ったわ」
「じゃあ…」
「あぁ、お前ら二人が将来結婚したいと言っても問題ないぞ」
「いや、そこまで」
「あら、聖慈は雫と結婚したくないの?」
「そうじゃなくて、今はそういうことまで考えたくないんだ」
「どういうこと?」
聖慈は雫の目を見て話す。
「結婚も大事だけど今は雫と一日一日大切に過ごしていきたいんだ。結婚はその日々を過ごしていくうちに見えてくるものじゃないかな」
「お前の言い分は分かった。だが、俺らが生きてるうちにしてくれよ」
「そこまでは待たさないよ。というより俺が我慢できない」
「ラブラブだな…」
「ラブラブよね…」
「なんだよ、さっきから」
聖慈は照れくさそうに笑った。
食事を終え、明日の朝一で聖慈と雫は日本に帰ることにした。
明日に備えもう寝ることにした。
「明日も早いしもう寝るか」
「そうだな。俺はどこで寝ればいいんだ?」
「もちろん雫の部屋よ」
「何言ってんだ!」
「何言ってるのよ!」
「恋人同士なんだから当たり前でしょ?」
「馬鹿言え!」
「何考えてるのよ!」
聖慈と雫は顔を真っ赤にして反対している。
いざ恋人同士になってもまだ初々しい二人に真美は笑みを零した。
真美の暴走を章吾が笑いながら止める。
「その辺にしときなさい。二人とも顔を真っ赤にしてるだろ」
「だって面白いんだもん」
「人をおもちゃにするなよ…」
「聖慈は一つ部屋が余ってるからそこを使え。布団は用意してるから」
そう言って章吾と真美は寝室に入った。
入る前に爆弾を一つ落として。
「恋人同士ですることは日本に帰ってするんだよな?」
「ちゃんと避妊するのよ」
そういってドアを閉めた。
残った聖慈と雫は顔を見合わせたがすぐに目をそらした。
「…おやすみ」
「…おやすみなさい」
二人は顔を赤くして自分達の寝室に入った。
四人は朝早く空港にいた。
朝一の飛行機で日本に帰るからだ。
そして、乗る飛行機の搭乗が始まった。
「じゃあ、また」
「またね」
「あぁ、聖慈」
「うん?」
「今度こそ頼むぞ」
「あぁ」
聖慈は雫の手を優しく握る。
雫も聖慈の手を握り返す。
「この手をもう離さないよ」
「そうか」
「それを聞いて安心したわ」
「雫、じゃあ行こうか」
「うん」
そして聖慈と雫は日本に戻った。
兄妹としてではなく恋人として。
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