第二十五話 兄の嫌な予感
次の日の朝、聖慈と雫は昨日と同じように朝食をとりながらTVを見ている。
今日聖慈と雫が兄妹というニュースが出るはずだ。
新聞の一面紹介の時間になった。
一面に雫のことが書かれていた。
『伊集院雫さん、新恋人は嘘だった?』
報道記者はニュースを続けた。
『事務所によると社会人は雫さんのお兄さんだそうで、家の事情で今一緒に暮らしてるそうです』
そのニュースを見て聖慈と雫は安堵のため息をついた。
これで騒動は落ち着くだろう。
優慈からも『よかったな』とメールも着た。
聖慈が仕事に行く準備をしていると雫も朝倉から学校に行ってもいいと許しを得たようで制服を着ている。
「朝倉さんから連絡あったのか?」
「うん。一応行ってもいいけど気をつけてねって言われた」
「そっか。もしあれなら優奈ちゃんと一緒に行動すれば大丈夫だろ」
「うん。優奈ちゃんもそのつもりみたい。今日ここに迎えに来るって」
雫が言った瞬間インターホンが鳴った。
ドアを開けるとやはりそこには優奈が立っていた。
「あ、聖慈さん。おはようございます」
「優奈ちゃん、おはよう。悪いけど雫のことよろしくね」
「はい、任せてください」
聖慈と優奈と雫は連れ添うように家を出た。
すぐそこで聖慈と雫たちは別れた。
聖慈が社食で昼食をとってるとまた彰人が近づいてきた。
「またお前か」
「そう言うなって。俺なりに心配してるんだから」
「分かってるって」
彰人は聖慈の隣に座った。
「でもこれで落ち着くんじゃないか?」
「そうだといいんだが…」
「何だよ?何か気になることがあるのか?」
「そうでもないんだが何か嫌な予感がするんだよ」
「嫌な予感?」
「あぁ、何かまだ起こりそうな」
「心配し過ぎだって」
彰人はそういって聖慈の背中をたたいた。
聖慈は笑いながら言った。
「そうだよな」
「そうそう」
それから二人は彰人の恋話になった。
聖慈は彰人が気になってる女性が合コンのときから気になっていた。
が、聖慈の予想通り彰人の好きな女性とは春美だった。
二人の馴れ初めなどを聞きながら聖慈は彰人をからかって笑った。
まだ心の中にある嫌な予感を吹き飛ばそうと。
だが、その予感はずっと聖慈の心の中に残ることになる。
そして、またある報道が放送された。
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