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第二十一話 兄と妹と時々子供

合コンの次の日の朝、雫は一人で朝食を食べていた。

聖慈に声をかけたが起きてこなかったので雫は一人で食べることにしたのだ。

休日に聖慈が朝食を食べないことは珍しくないので雫は特に気にせずに食べている。


雫は食べ終えた皿を流しに置き先に洗濯をすることにした。

洗濯機を回してる間に洗い物をしたほうが時間的に短いからだ。

雫が皿を洗い終わったときに部屋のインターホンが鳴った。


「はい、どちらさまですか?」

「しずくねーちゃん」

「え!?陸君!?」


インターホンから聞こえた声は智子の息子の陸だった。

急いでドアを開けると大竹と智子と大竹に抱っこされている陸が出迎えた。


「しずくねーちゃん!」


陸は大竹から降りて雫に抱きついた。

雫は何がなんだか分からないようで大竹と智子に説明を求めた。


「先生に智子さん、一体どうしたんですか?」

「あれ?聖慈に聞いてない?」

「お兄ちゃんに?私は何も聞かされてないんですけど」

「おかしいな。頼みごとがあるって言ってたんだけど」

「ちょっと待っててください。今起こしますから」


そういって雫は聖慈の部屋に入った。

聖慈はスヤスヤ寝息をたてて爆睡していた。


「ちょっとお兄ちゃん!」


聖慈は未だに夢の中だ。

そこに上がってきた大竹が入ってきた。


「悪いけど上がらせてもらったよ。聖慈はまだ寝てんの?」

「ええ…」

「伊集院。悪いけどちょっと下がって」


大竹は雫を少し下げらせ聖慈の近くに立った。

そして聖慈の腹めがけてエルボーを繰り出した。


「ぐは!?」


聖慈は今の衝撃でさすがに目を覚ましたが苦しんでいる。

それを見て大竹は笑いながら聖慈に声をかけた。


「聖慈おはよう」

「おはようじゃあないですよ。殺す気ですか?」

「お前が寝坊するのが悪い」


聖慈は大竹に口論で勝てる気がしないのでまず何故大竹がここにいるのか聞いてみた。


「先生、なんでここにいるんですか?」

「なんでってお前に頼みごとをするからじゃあないか。言ってただろ?」


そういえばそんなことを言ってた気がする。


「すっかり忘れてましたよ。でも前日に電話とかくれてもいいんじゃないですか?」

「言われてみればそうだな。今度から気をつけるよ」


大竹は笑いながら言った。

聖慈はそれを見て「似たもの夫婦め」と呆れたような顔をしている。


「で、俺に頼みたいことってなんですか?」

「今日一日陸をあずかってくれないか?」

「何でですか?」

「実はな…」


大竹が言うには今日大竹は大学の恩師のパーティがあるらしい。

それに智子は連れて行くが陸は面白くないだろうし、静かなパーティなので置いていくことにした。

最初は親戚の人に陸のことを頼もうとしたらしいが陸が「しずくねーちゃんがいい」と言ったので聖慈と雫に頼むことにしたというわけだ。


「俺は構いませんよ。雫は?」

「私も大丈夫です」


二人ともOKの返事を出したので三人は智子と陸が待つリビングに戻った。

雫の姿を見た陸が雫に駆け寄る。


「しずくねーちゃん!」

「陸君、私達と一緒に留守番しよっか?」

「うん!」


陸と雫が話してる間に聖慈は大竹夫婦と話している。


「いつごろ帰ってくる予定なんですか?」

「今日の夜、そうだな…9時ぐらいには迎えにくるよ」

「分かりました」

「伊集院君、悪いけどよろしくね」


そういって大竹と智子は出かけていった。

陸は雫にべったりひっついている。

聖慈と雫はそんな陸を見て顔を見合わせて笑みを零した。


「陸君、じゃあ何して遊ぼうか?」

「えっとね〜、サッカーがしたい」

「サッカー?」

「近くに公園があるからそこに行こうか?」

「そうだね」


そういって聖慈と雫は陸を連れ添って近くの公園に行った。

公園に着くなり陸は雫の手をとって走り出した。

聖慈は陸と手を引っ張られながら楽しそうに笑っている雫を見て笑みを零しながら二人について行く。

雫と陸が公園で遊んでる間、聖慈はベンチに座ってその姿を見ていた。

いつか自分も家族を作ってこうやって遊んでるのだと思ってる自分を自分で笑ってしまった。


雫がこちら側に歩いてくる。

陸のほうを見ると周りの子供達と遊んでいる。


「あ〜疲れた」

「楽しかったんだからいいだろ」

「まぁね」


雫はそう言って聖慈の隣に座った。

聖慈は前もって買っておいたジュースを雫に渡した。

雫はそれをゴクゴクと喉を鳴らしながらおいしそうに飲んでいる。


少しして陸も遊びつかれたのか聖慈と雫のほうに戻ってきた。

聖慈と雫の間に割り込んで座り、聖慈のほうを睨む。


「しずくねーちゃんはぼくのおよめさんになるんだぞ!せいじはあっちにいけ!」

「はいはい、じゃあこのジュースはいらないな」

「え!?」


陸は聖慈の言葉に慌てている。

聖慈は意地悪な顔をしている。

雫はそんな聖慈の顔を見て、「渡してあげなよ」という顔をしている。

聖慈は陸の顔が泣きそうになっていくのを見てどんなにませてても子供は子供なんだなと笑いながら陸にジュースを開けて渡した。

陸は笑顔でそのジュースを飲んでいる。


聖慈と雫はそんな子供のくるくる変わる表情に笑みを零した。

聖慈たち三人が公園のベンチでゆっくり話してるとある一人の女性が早足で歩いてきた。

その女性は聖慈達の前に止まった。

聖慈はその女性の顔に見覚えがあった。


その女性は聖慈の元カノだった。

あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky


蘭様こちらのほうは誤字ではありません

分かりにくいかもしれませんが『「大竹」と「智子」と「大竹に抱っこされている陸」』という意味だったのです

分かりにくてすいませんでした

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