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第二十話 兄の不可解な感情


この話には未成年の飲酒の記述があります

お酒は20になってから飲みましょう

聖慈は雫と優奈が待っている場所に向かった。

二人はジュースを飲みながら聖慈が来るのを待っていた。


「悪い。遅くなった」


聖慈は謝りながら二人のそばによっていった。


「いえ、私のほうこそごめんなさい」

「何が?」

「雫を合コンに連れて行って」


聖慈は優奈が頭を下げて謝ってきたので優奈の頭を撫でながら答えた。


「優奈ちゃんのせいではないよ。雫が断ればよかったんだから」


そういって聖慈は雫に厳しい視線を送った。

その視線を受け取った雫はビクっと反応した。

そのとき、見覚えのある車が聖慈達のすぐ近くに停まった。

それを確認した聖慈は優奈に向きなおして言った。


「それに優奈ちゃんはこれからお仕置きがあるんだから」

「え?」


優奈が「どういうことですか?」と聞こうとしたときに車から降りてきた男が優奈に近づいて叫んだ。


「優奈!」

「え?優慈さん!?」


優奈の彼氏は聖慈の弟の優慈だ。

1年前から二人は付き合っている。

小さい頃から知っている二人にいつからそういう感情が生まれていたか知らないが二人は両想いとなっていた。


「兄貴からメールがあって来てみればいったいどういうことだ!」

「えっと〜…」

「優慈、今はその辺にしておけ。とりあえず家に送ってくれないか。俺も雫にお仕置きをしないといけないし」


聖慈は優慈をなだめながら雫に厳しい視線を送った。

とりあえず4人は車に乗り込んだ。


聖慈と雫を降ろした優慈はそのまま自分の部屋に帰っていった。

優奈がどんなお仕置きをされるかは知らないが…


聖慈と雫は部屋に入った。

聖慈は部屋着に着替え、同じように部屋着に着替えた雫を正座で座らせ聖慈もその前に正座で座った。


「さて、雫」

「は、はい」


雫はすでに恐怖でおびえているようだ。

聖慈としてはそんなに厳しいお仕置きをする気はない。

少し説教をするぐらいの気持ちだったのだ。


「そんなにおびえないで俺の質問に答えればいいから」


雫はその言葉にうなずいた。


「まず、何で今俺が怒ってるか分かるか?」

「お酒を飲んだから…」

「まぁ、それもあるけど一番怒ってるのは嘘をついたことだ」

「あ…」


雫は思い当たった点があったのだろう。

聖慈はさらに続けた。


「友達づきあいもあるのは俺だって分かるさ。でもな、遊びに行くとは聞いてたけど合コンとは聞いてなかったぞ」

「ごめんなさい。反対されると思って」

「反対はしなかったさ。俺だって行ったんだし。だが、嘘をついて行くのはさすがに俺だって怒るさ。しかも、行ったときにはすでに酒を飲んでたし」

「最初は断ったよ!」

「断って当然。でも、飲んだのは確かだろ?」


雫はその言葉に詰まった。

本当の事だから反論の仕様がない。


「とりあえずこれから一切20になるまで外での飲酒は禁止!いいな!」

「はい」

「じゃあもういいよ」

「え?」


雫はこんなに簡単に許してもらうとは思えていなかったのでつい声を出してしまった。

そんな声を出した雫に聖慈は意地悪な顔をして話しかけた。


「あっれ〜、雫ちゃん。もしかしてもっとお仕置きをされたいの?」

「違うよ!でも、あれだけとは思っていなかったし」


聖慈はその言葉に笑みを零して雫の頭を撫でた。


「雫はこれ以上言わなくても別に大丈夫だろ?」


聖慈は雫を信用している。

確かに今日のはさすがに堪えた。

でも、聖慈の雫に対する信用はまだ消えたわけではない。

それに雫を束縛をしたくないのだ。

今の雫の年代はたくさんのものを吸収できる大事な時期でもある。

だからたくさんの事をして、たくさんの事を自分で吸収して欲しいのだ。


「これから気をつけるから」

「よし、じゃあもう寝るか」


聖慈はそういって自分の寝床に入った。

そして自分の居酒屋での行動を思い出していた。

何故自分はあの言葉にムカついたのだろう。

『そんな子供のどこがいいのよ!』

確かに雫が子供といえば子供だ。

だから何故あんなにムカついたのか分からない。

それは妹を馬鹿にされたのだと自分で納得した。


だが、何故あの男の行動にもムカついたのだろう。

一つだけ思い当たる感情があったが聖慈はそれを思い浮かべて苦笑いを零して眠りについた。


その感情の名前は『嫉妬』だった。

男に嫉妬してたのだとは考えたくない聖慈は夢の中に入っていった。


あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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