第十八話 妹の事情
この話には未成年の飲酒の記述があります。
お酒は20になってから飲みましょう
金曜日、雫はいつもどおり朝食の準備をして聖慈を起こした。
雫と聖慈が朝食を食べていると聖慈が思い出したように話しかけてきた。
「雫。今日俺夕食いらないから」
「え?どうして?」
「今日メンバー合わせの合コンに参加することになってるから。合コンたって言っても俺は酒を飲んで食べるだけど」
「ふぅ〜ん。分かった。帰りは何時ごろになりそうなの?」
「遅くても10時には帰ってくるよ」
「分かった」
そういって朝食を続行した二人は準備を終え聖慈は会社に、雫は学校に行くためにマンションを出たところで分かれた。
雫が教室に着くと山本が一番に話しかけてくる。
「伊集院おはよう!」
「山本君、おはよう」
雫は満面の笑みで挨拶を交わす。
山本の顔には少し赤みが増した。
山本がまた話しかけようとしたところに優奈が飛び込んでくる。
「しっずく〜〜〜!おはよう〜〜!!」
朝からハイテンションな優奈に笑みを零しながら優奈にも満面の笑みで挨拶をする。
「優奈ちゃんもおはよう」
そういって雫と優奈は二人で自分の席のほうに向かっていった。
途中優奈は山本に「ニヤリ」と意地悪な笑みを浮かべて。
山本はその顔にイラッとしながら自分の席に戻っていった。
「雫も優奈もおはよう!」
「夏美ちゃん、おはよう」
そう言って雫は夏美の横の席に、優奈は雫の後ろに座る。
3人は席が近いのだ。
「ねぇねぇ、雫と優奈今日暇?」
「うん。暇だよ」
「私も何も無いよ」
「じゃあ、合コン行かない?お姉ちゃんに人数合わせに頼まれちゃってあと二人誘わないといけないの」
夏美が言うには8対8で合コンするが女性陣の人数が足りないらしい。
そこで仲がいい友達を誘うように姉に頼まれた夏美が雫と優奈を誘ったのだ。
「でも、私カレシいるよ?」
優奈には彼氏がいる。
その彼氏は特殊な仕事をしてるのでなかなか会えないが会えたときには物凄く甘えるので特に気にしていない。
「いいっていいって。居酒屋だけど私達は会費なんかいらないって言ってるし。ただお食事会と思えばいいんだよ」
「私は別に構わないよ。雫は?どうする?」
「う〜ん…今日は聖慈さんもいないし、行くよ」
「二人ともありがとう!じゃあ放課後に私の家に行って化粧とかしないとね。大学生ってことで行くから」
「うん。分かった」
「オッケー!」
そういって3人は今日の合コンの事を話題に話した。
一応聖慈にメールを送ったほうがいいと考えた雫はメールを送信した
[今日私も遊んで帰るので遅くなります 雫]
5分ぐらいして聖慈から返信があった。
[了解。気をつけてな 聖慈]
普段メールなどをしない二人なので新鮮な気持ちになった雫には笑みが浮かんだ。
その顔を見た優奈は相手は聖慈だと気づき優奈にも笑みが浮かんだ。
放課後3人は夏美の家に来ている。
化粧などを夏美の姉にしてもらうためだ。
「お姉ちゃん連れてきたよ」
「お、夏美。あんたの友達かわいいね」
夏美の姉の春美は雫と優奈を見ながら言った。
「じゃあ、まずは…この子からしよっか」
そういって最初に雫を自分の前に連れてきた。
「動いちゃ駄目よ」
春美はそういったが、雫は小さい頃からメイクを仕事でしてもらってるのでじっとしてるのも慣れたものだ。
春美のメイクの腕はプロには劣るがそれでもかなりの腕前だというのは雫には分かる。
「はい、完成!次はあなたよ」
雫のメイクが完成したので次は優奈を相手にメイクをしだした。
雫と優奈には可愛い系のメイクを施した春美は満足そうだ。
「うん!私の腕も捨てたもんじゃないわね」
それから服を着替え4人で合コン会場である居酒屋に到着した。
4人が一番最初に着いたらしく春美がこれから来る男性陣のことを話してくれた。
これから来る男性陣は友達の大学の友達が多く、それ以外にも一人来るらしい。
雫はこの合コンで彼氏を作る気はないがそれでもどんな人が来るかは楽しみだ。
それから少しずつ女性陣が集まり、女性陣が全員集まった時点でまだ男性陣は一人も来ていない。
女性陣が集まって5分後ぐらいたってから男性陣が集まってきた。
「遅いわよ!」
「仕方ないだろ。後二人来るから待ってたら先に行っててくれって言うんだから」
「ふぅ〜ん。じゃあ先に始める?」
そういって春美は乾杯の音頭をとった。
雫もオレンジジュースを片手に乾杯をした。
男性陣の一人が雫に話しかけてくる。
「君かわいいね。年いくつ?」
「じ…21です」
雫は危うく「18です」と言いそうになったが大学生という設定なので21と答えた。
隣では優奈も21として答えてるようだ。
「ふぅ〜ん、じゃあお酒飲もうよ」
「いえ…私は飲んだこと無いので」
「何事も経験だって」
そういって男は勝手にアルコールが入っている飲み物を頼んで雫に渡した。
「はい、これ」
「でも、私本当に…」
「一口でもいいから飲んでみてって。ね?」
雫が断っても男は引くきはないらしくどうしても雫にお酒を飲ませたいようだ。
仕方なく雫が口に含むとアルコールの味はせず、とてもおいしかった。
「あ、おいしい」
「でしょ?これ俺のお勧め」
そういって男は笑顔を見せた。
その笑顔を見て雫も笑顔を見せた。
雫がそのお酒を飲み終わった後、今度はビールを男は渡した。
「はい、じゃあ次はこれ。ちょっと苦いかもね」
雫が一口ビールを飲んだときに春美が立ち上がった。
「彰人遅い!早くこっちよ」
「悪い悪い。こいつが遅くて」
と彰人と呼ばれた人はもう一人の男を指差して言った。
「遅れてごめんね」
そういって女性陣を見渡している。
そこでお酒を持っている雫を見て固まった。
その男は伊集院聖慈、雫の兄だった。
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