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第十三話 母の提案

その様子を見ながら章吾と真美はゆっくりお茶を飲んでる。少しして一番早く復活したのは聖慈だった。


「あ〜と、悪いけどもう一回言ってくれないかな?」

「だから、俺と母さんは外国で暮らすことにしたんだ。」

「いやいやいや、何で急にそんなことに?」

「いやな、俺の友達がアメリカに住んでるんだ。んで、俺も来ないかって誘われたからじゃあ行くわってことで。出発は明後日。まぁ、頻繁に帰ってくるつもりだから心配すんな。」

「誰が心配するか!」

「ちょっと待てよ!急に決まりすぎだろ!!いつ誘われたんだよ?」

「え〜と、一ヶ月ぐらい前かな。」

「なんでこんな急に言うんだよ!もっと早く言えよ!」

「いいじゃないか。どうせ止めないんだろう?」

「そりゃあそうだけどいくらなんでも急すぎだろ!」

「ちょっと待ってよ。私はどうするの?」

「そうだよ!俺と優慈は一人暮らししてるから良いけど雫はどうすんだよ?」

「そりゃあここで一人暮らしでいいんじゃないか?」


章吾のいった言葉に3兄妹はまた固まった。

三人とも頭がついていっていない様子で、今一生懸命整理をしているようだ。

章吾と真美が再びお茶を飲んでる中で一番早く口を開いたのは聖慈だった。


「俺は反対だ!雫はまだ18の女の子だぞ!」

「俺も反対だ!俺らはともかく雫にはまだ早い!今世間は物騒なんだぞ!」

「んな事いったって、もう俺ら向こうに家買ってるしもう辞めることはできんぞ。」

「だからって・・・」


聖慈、優慈、章吾の三人が話してる中で雫はボーっと何かを考えている。

真美はその横顔を見ながらあることを考えていた。

元々真美は聖慈と優慈が反対するのは分かっていた。聖慈と優慈はこと雫のことに関しては過保護だ。

雫が一人暮らしするのを許さないだろうとは思っていたがこれほど強く反対するとは考えてなかった。

最初はなんとか聖慈と優慈を言いくるようと思っていたが聖慈と雫の関係を見てあることを思いついた。


「あら、じゃあ雫は聖慈と一緒に暮らせばいいじゃない?」

「うぇ!?」

「は!?」

「・・・」

「へ!?」


真美の言葉を聞いて聖慈、優慈、章吾は変な声を出してまた固まった。

雫はすでに思考回路がついていってないようで真美が何を言ってるのか分かってないようだ。


「母さん?それは俺も初耳なんだが?」

「そりゃあそうでしょ。今思いついたんだから。だって聖慈と優慈は雫の一人暮らしは反対なんでしょ?」

「そりゃあそうだけど、どうなったらそういうことになるんだ?親父だけ行かせてお袋はせめて雫が成人になるまで日本にいればいいだろ。」

「あら?聖慈は雫と暮らすの嫌なの?」


真美のその言葉に雫がはっと聖慈の顔を不安そうに窺う。すでに泣きそうな雫の顔を見て聖慈はうっと詰まった。


「そりゃあ嫌じゃないけどさ・・・。親父はいいのか?俺と雫が暮らしても?」


この言葉にはある意味が含まれていた。

一応戸籍上は兄妹ということになっているが二人には血のつながりは無い。

それを含めて聖慈は章吾に尋ねた。今まで聖慈は雫と兄として生活してきた。

章吾も聖慈を本当の息子として育ててくれた。

だから、雫が聖慈の部屋に泊まることがあっても何も言わなかった。

だが、「『暮らす』ということになると別問題なのではないだろうか」、「もしかしたら章吾は聖慈と雫が暮らすのを反対してるのではないだろうか」とその想いが今聖慈の中で芽生え始めている。

だから、聖慈は章吾に尋ねたのだ。「自分の娘が血のつながってない男と住んでもいいのか」と。


「ま、聖慈となら大丈夫だろ。」


章吾は笑って頷いた。

章吾は聖慈の気持ちが分かっていた。

聖慈が雫のことをとても大事にしてることも、聖慈の中で雫の存在がどれほど大きいのかも。

もちろん雫の気持ちも分かっている。雫が聖慈をどれほど頼りにしてるのかを。

優慈も雫のことを大切にしているのは分かっている。だが、聖慈と比べると優慈に任せるには少し不安が残る。雫も優慈よりは聖慈を頼りにしている。だから、聖慈に任せたのだ。


「親父がいいなら俺はいいよ。雫は?俺と一緒でいいか?」

「え?う、うん。」

「じゃあ、そういうことだな。優慈もいいな?」

「あぁ・・・」

「なんだ?納得行かないようだな?」

「いや、なんで俺と一緒じゃいけないのかと思っただけだよ。」

「だってあんた芸能界で働いてるから家を空けるのはしょっちゅうでしょ?それだと雫が一人暮らしするのとかわらないじゃない。聖慈は残業で遅くなっても必ず家に帰るんだし、家を空けるのは出張ぐらいでしょ?だから聖慈に任せたのよ。」

「分かった。」


優慈はしぶしぶといった感じだが納得したようだ。

とりあえず雫の引越しは明日ということになった。

この家はこのまま放置で、一ヶ月に一回はハウスクリーニングに頼むということ、章吾と真美は気が向いたら帰ってきて帰ってきたら一回は家族全員で食事をすることを決めた。

雫は自分の部屋へ荷物をまとめに、真美は残りの荷物整理を、優慈は真美の手伝いを始めた。

聖慈は雫を手伝おうとしたが章吾に話があると引き止められた。


ここまで先もって書いてたのを投稿してましたがこれからは一から創るので更新ペースが遅くなります

ご了承くださいm(_ _)m


あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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