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第十一話 兄の作戦 

「はい、伊集院ですが?・・・おぉ、暇だぞ。・・・分かった。じゃあ今から迎えにいくから」


そういうと章吾は電話を切った。そして、聖慈の方に向きなおした。


「聖慈、おかえり。」

「ただいま。で、電話誰から?」

「おぉ、そうだった。雫が迎えに来て欲しいんだと。俺の車使って良いからお前迎えに行ってくれないか?」

「あぁ、それは別にいいよ。どこまで?高校?」

「校門の近くにいるそうだ。それじゃあ頼んだぞ」

「了解〜。ほんじゃ行ってくるわ」


聖慈はそう言うと章吾から車の鍵を受け取り家をでた。

章吾の車はミッションだが運転するのはすでに何回か経験してるので慣れた手つきで車を発進させた。

雫が通っている高校は聖慈、優慈も通っていた学校で家から一番近い学校だが、歩いていくには少し遠い場所にある。

聖慈と優慈は自転車で通っていたが雫はバスで通っている。

高校と家を結ぶ路線のバスは本数が少ないので時々雫を高校まで迎えに行くこともある。

だいたい章吾が迎えに行くが家にいるときは優慈や聖慈が迎えに行くこともある。


家から高校までいつもは20分ぐらいで着くが今日はいつもより車が多く少し時間がかかってしまった。


「まぁ、少しぐらい遅れても大丈夫だろ」


聖慈は校門の近くに車を止め周りを見たが雫らしき人は見かけなかった。

とりあえず聖慈は車から降りてボンネットに寄りかかって缶コーヒーを飲み始めた。

その様子を見て周りの女子高生から熱い視線が送られてるが聖慈は少しも気にしてない。というか気付かず携帯をいじっている。

ふと生徒用玄関を見ると雫と男子生徒が二人で歩いてくるのが目に留まった。

その男子生徒が馴れ馴れしく雫と話してるのを見てると少しムカついたが雫が聖慈に気付いて笑顔を向けたのを見たときに何も考えれないようになった。というよりもその笑顔から目が離せないといったほうが正しいのかもしれない。

雫は男子生徒を置いて聖慈目掛けて走ってきた。聖慈は雫の行動が読めていたので腕を広げて待ち構えた。

聖慈の読みどおり雫は聖慈の胸に飛び込んできた。腕の中で雫は息が切れている。


「なにもそんなに急いで走らなくても」

「だって、ひさしぶりなんだもん。お兄ちゃんと会うの。それにまさかお兄ちゃんが迎えに来てるなんて思わないもん。」

「親父に頼まれてな。お前も聞いてるんだろう?なんか大事な話があるって」

「うん、でも何の話かは聞いてないの。お兄ちゃんは?」

「俺も聞いてないんだ。優慈も聞いてないらしい。とりあえず帰ろうか」


聖慈が雫と話してると先ほど雫と仲良く話してた男子生徒がこちらに向かってきてるのが見えた。

顔には嫉妬の情が目に見えるほどすぐに分かった。


「なぁ、雫。あいつは誰だ?」

「え?・・・あぁ、山本くん?このまえお友達になったの。」

「ふぅ〜ん。・・・まぁ、あいつはそれだけで近づいたわけではないだろうけど」

「え?どういう意味?」

「いや、気にすんな」


山本は聖慈たちのすぐ傍まで来ると聖慈をにらみつけた。

その後に雫に向かって笑みを浮かべて話しかけた


「伊集院?俺がお前んちまで自転車で送ってってやるよ。・・・で、あんた誰?あんた伊集院のなんなの?」


最初は雫に向かって話してたが後のほうは聖慈に向かって挑戦するように言った。

聖慈はすぐに兄と言ったら面白くないと思い、雫の虫除けも兼ねて予防線を張ろうと考えた。


「俺?そうだな・・・こいつのことを一番分かっている人で雫は俺にとって一番大事な存在ってところかな。な、雫?」

「うん!私も大好き!」


俺と雫が言った言葉に周りがざわざわ騒ぎ出す。

元々聖慈と雫が抱き合ったときから周りが騒がしかったがさらに騒がしくなっている。聖慈は山本の顔を見た。

やはりショックを受けているのか顔が少し青白い。周りの男子生徒も山本と同じような顔をしている。

山本がショックから立ち直ったのかまた聖慈をにらみつけてきた。やはり先ほどと比べると比較的弱い視線だが・・・


「あんた、社会人だろ?女子高生なんか手ぇ出して良いのかよ!あんたロリコンか!」

「別にロリコンだろうと関係ない。俺は雫が大事なんだ。別に女子高生が好きなわけじゃあないしな。雫だから大事なんだ。それはこれから一生変わらない。むしろこれからも俺がこいつを守っていくつもりだ」


聖慈の言葉を聞いてさらに周りが騒ぎ始めた。

傍から聞くとどう聞いてもプロポーズの言葉にしか聞こえないから無理もない。だが、聖慈の言った言葉に嘘はない。

これから章吾から話を聞くがどんな話でも優慈と雫の兄貴でいようと決めてるからだ。

そういえばさっきから雫が静かだな、と思い雫の顔を見ると他の人から見るとどこも変わってないように見えるが少し照れてるのが聖慈には分かった。

「少しやりすぎたかな」と思いとりあえずこの場から逃げることに決めた。

雫を車の助手席に乗せ聖慈自身も車に乗った。走り出す前に最後のとどめを指すのを忘れずに・・・


「今から雫の家に行って雫の両親と大事な話をするんだ。悪いがお前の出る幕はない。じゃあ〜な〜。」


そういって聖慈は車を出した。


あとがきはYAHOO!blogで書いております

興味があればお越しください

URL↓↓

http://blogs.yahoo.co.jp/in_this_sky

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