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決着への不安、期待

 俺はをゆっくり、ゆっくり、階段を上っていた。


 靴音のみがこの空間を支配する。


 心臓は血の流れを激流へととっくに変えている。


 しかし、俺には確信もあったし、それゆえの憂鬱もあった。


 屋上までの最後の踊り場が目に入る。


 残りは何段だろうか。


 そういえば階段の段数が一段増える七不思議が存在したと思い出す。


 階段の怪談だ。一人で感心し、一瞬だけ声に出して笑う。


 階段の段数が無限に増えるのだとしたらどんなに楽であろうか。瞬時に憂鬱感は甦る。


 そんなこんなでもうすぐ屋上だ。屋上の扉が目に入る。例の踊り場もいまや俺の足場だ。


 俺は割り切り、一息で屋上の扉へ到着する。


 期待感も大いに、かなり、とってもあった。


 彼女たちとの関係が進み始めるのではないか。


 俺は正直、彼女たち二人ともに恋していた。


 だが彼女たちはそうはいかない。


 俺は一回深呼吸をするとドアノブへ手をかける。


 回す。


 かぎは掛かっていない。


「楽しみだ」

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