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~第三話 自分~

いつもの天井、いつのまにか家に帰ってベットに横たわっていた。

俺はこの世界には本当は存在しない、この世界ににいる自分は存在するべきではない。

いままでの人生が無意味、いやそれどころか罪に思えてきた。

言い表せない悲しみと虚脱感に埋もれていった。

「誰なんだよ俺は!」

自分が誰なのかも分からなくなって、いままでの思い出も確かなものなのか曖昧になる。

「選択ってなんだよ、こんなこと知って今まで通りに生きていけって言うのかよ」

そんなことは考えられなかった、「両親」すらも「他人」の世界でいきていくなど。

もしそうなったら俺はきっと自殺するだろう。

だが魔法学校に残るということは自分が異界の住人だと正面から受け止める必要がある、こんな

からっぽの心でそんなことができるとは思えない。

「どうすればいいんだよ・・・」

完全に心が闇に堕ちそうになったとき、ポケットから振動が伝わってきた。

携帯に一通のメールが届いた、「from母さん」

偶然とは思えないタイミングに俺は鬼気迫る勢いでメールを開いた。

かなりの長文だ、意を決して読み始める。

「海牙へ、学校から連絡がきました。とうとう知ってしまったのね。まず謝らせて、ごめんなさい真実を黙っていて。きっと今あなたの心はボロボロでしょう、昔から根はとっても優しかったから逆に自分が傷ついた時、どれほどショックを受けてしまうか心配だったの。前におじいちゃんが死んだ時も平気なふりをして一人で泣いていたでしょう、知っているのよ。

私は昔、出産に失敗して二度と子供を産めなくなってしまったの。今のあまたほどじゃないと思うけど、とても悲しくて絶望したわ。そんな時公務員の親戚が赤ん坊を連れてやってきたの、そしてこの赤ん坊を育てて欲しいとたのまれた、私断ったわ、「慰めのつもりか、傷を癒すために子供をそだてるなんて私はしない!そんなの子供が憐れすぎる!」って、そしたらその親戚が機密を話してくれた。この赤ん坊は私達の世界の子供じゃない、この子はこの世界ではまだ繋がりをもっていない、だから君に最初の繋がりになって支えてあげて欲しいって言われたの。私気がついたらうなずいていたわ、この子は私が支えるべきだって思ったの。

海牙、あなたは自分がこの世界に存在しちゃいけないって考えているでしょう?でもきっとそんなことはないわ、あなたは途中から私の支えなんか必要ないくらいたくさんの人と繋がりを作っていた、その中でも特別に「友情」を育んだ仲間もいるでしょう。

その仲間達にも、もちろん私達両親にも、今まであなたが繋がってきた人達にはあなたがいなくてはいけない、存在していなければいけないの。

だから、あなたはこの世界にいていい、存在していいの。海牙は海牙よ。


PSやりたいことをやりなさい、きっとその先に光があるわ。」


・・・様々な感情が入った雫が頬を伝った

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