8話 サクラ、巡礼を活発にする
「私サクラの分身を使って、政界や財界、軍などの要人に憑依しましょう。そして、大量殺りく兵器などを破棄し、作らせない社会に変えてゆくのはどうでしょう?」と、サクラ。
「いやー、それはきっと成功しないよ。何たって、それが原因でこの世界が滅ぶのだから。宇宙の理からも、壊滅への道は避けられないと思うよ。それに、罰は必要だよ」とホーソン。
ホーソン神は、乗り気じゃないですね。
「まあ、かなり霊力が必要なので、今の私サクラには無理ね。2つ目の、巡礼と祈りで霊力アップを図ったほうが、先々応用が利くと思うわ」
「確かにそうだね」
「じゃあ『神ヤシロ』の整備と巡礼を促進しましょう。底上げですよ。人の心や巷に巣食う魑魅魍魎の類を浄化させましょう。壊滅を回避させる方向に、人々の心を向かわせられるのではと思うのです」
ということで、サクラは龍人のヤヨイが守っている『アマギ神ヤシロ』にやってきました。
ここは、アマギ神ヤシロの社務所にある、応接室です。縦2メートル、幅1メートルのテーブルを間にして、ホーソン神、サクラ神、ヤヨイ、イロリの4人が座っています。
「神様。お越しいただきありがとうございます。私はヤヨイと申しまして、このアマギ神ヤシロを預からせていただいております」
「あたしは、イロリと申します。若輩者ですが、よろしくお願いします」
「そう、緊張するではない。わしは、この星の神、サクラじゃ。此度は、『巡礼を活発にする』ために、そなた等の協力をお願いしたい」
「もったいないお言葉です。是非にも、協力させてください。龍人族一同頑張ります」
「さて、この板は神ヤシロの所在と霊脈を表わしておる。そして、神ヤシロを押すと、その神ヤシロの規模や参拝者などが表示されるのじゃ。これを使って、参拝者を増やすのじゃ。」
「霊脈については、この『サクラ神楽鈴』を貸し与える。これで『おおぬさ』をたくさん作り、他の神ヤシロや教会に送って、霊脈を復活させるのじゃ」
「はっはー。有難く頂戴つかまつります」
巡礼を活発化させる手を、一つ打ちました。3か月たって、状況を見てみると若干上向きになっているようです。奇跡を2つ3つ見せれば、神の存在を誇示できるのですが、もうちょっと様子を見ましょう。