46話 ウィルスの入れ替え
猿人が持つ特別なウィルスがあります。ホーソン星のウィルスは、脳に刺激を与え知能を向上させます。その基本的な精神は『生きたければ勝て!』なのです。勝つことで脳の中枢が満足する仕組みです。
このウィルスは、宇宙の至るところで見られ、ホーソン星のように文明の発展に大きく寄与します。そして、発展しすぎた文明は壊滅の時を迎えるのです。それは、宇宙の理のように、普通に起こり得ることなのです。まさにウィルスの目的は集団自殺なのでしょうか?
このホーソン星では、たまたまララ・ゴランがやってきたことにより、軌道修正されました。
そして、今日はパラレルワールド管理局から、猿人用改良ウィルスが届きます。このウィルスは、もちろん猿人のみ感染して、攻撃的な精神を抑制します。さらに、他のウィルスを寄せ付けない抗体を宿主に作ります。すなわち、『生きたければ勝て!』を強制するウィルスを排除して、穏やかな精神になるのです。
えぇ。それは自由の侵害ではないかという意見もありますが、強制しない自由もあって然るべきです。ホーソン星を壊滅へと導いたウィルスは、排除しましょう。
「こんにちは。パラレルワールド管理局のゲランです」
「猿人対策局のマリアです」
ここは、ゴラン王国の会議室です。
ララ・ゴランとホーソン神、サクラ神が座っております。
「予てより、ご依頼の有りました『猿人用改良ウィルス』をお持ちしました。とマリア。
「ありがとうございます。早速、ホーソン人に投与してみます」とサクラ神。
「競争心がなくなるの? 面白みがなくなるの? 」と、ホーソン神。
「全く無くなるわけではありません。ララ・ゴラン様が率いて来られた移民星のみなさんの競争心は、およそ20%のレベルです。それで、今日お持ちしたのは、10%、20%、30%の3種類です。お選びください」とマリア。
「移民星の者たちと、融和を考えるならば、同じく20%ほどでお願いしたいです」とサクラが応えた。
ウィルスは空気感染なので、主要な都市で散布すれば、蔓延にそう時間はかからないと言うことですね。




