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44話 アマチ家のその後

「ララちゃんは、どうしているかねぇ」とミドリ母さん。


「ゴラン王国の王女様のお名前が、ララ・ゴラン様だって。ひょっとしたら本人だったの? 」とイクノ婆さん。


「ああ、学校にゴラン王家の写真があってね。そこにララちゃんがいたよ。学友の皆も、本人に違いないって、騒いでいたよ。ララちゃんに会いたいなぁ」とサナエ。




ちょっと復興事業の合間を見て、私(ララ)がお世話になった、アマチ家の様子を覗いてみました。


「ヤッホー」


私(ララ)は、アマチ家の敷地に入り、縁側に座っているサナエに手を振ったのです。


「ララちゃんだ! お母さん、ララちゃんが来たよー」


「えぇぇ!。まあまあ、庭先じゃ何だから入って、入って!」とミドリ母さん。


サナエは畑に居る、ババ様と父親を呼びに行きました。ヤクゾウは学校らしい。

リビングに一同が集まりました。


「お久しぶりです。みなさんお変わりはありま・・・したね?」


「まあ、いろいろと不便はあるけど、のんびりした世界になったね。もう、ララちゃんの元気な顔が見れて、嬉しいよ」とミドリ。


「ララちゃん、今は何をしているの? 王女様って忙しいの?」とゴンゾウ。


戦争の後処理とか、ホーソン人の皆さんを支援していることを、掻い摘んで説明しました。


「王女様って、大きなお城に住んでいて、豪華なドレスを着ているのよね。それに、美味しいものをたくさん食べられて、お付きの人がたくさんいて、イケメンさんがいっぱい居るのでしょう?」とサナエが放心状態で聞いてきました。


「サナエちゃん。まあ、そんなことはないよ。まあちょっとドレスはあるけど、イケメンはいないよ。代わりに、狐さんとか、たぬきさんやウサギさんが居るけどね」


「狐さん? たぬきさん? ウサギさん? あのアミューズメントパークに居た人たちね。今度会ったら、抱いてみたいわ」と、うっとりするミドリ母さん。



「でもねー、スマホが使えなくなったのはつらいよ」


「電話もダメだって。もう100年前のように手紙でやりとりになるのかねぇ。不便だねぇ」


「軽トラも、最近動きが怪しいよ」とゴンゾウ。


「学校の区域の再編成があるそうだって、自転車で行き来できる範囲になるそうだよ」


「テレビは、まったく映らないし、ゲームも動かなし、暇だ」とサナエ。


電気に頼ってきた、文明は脆くも崩れ去ってゆきます。行動範囲も自分の足、自転車で行ける範囲になってきました。郊外のショッピングセンターも次々閉店しました。毎日の食料を確保するのが大変です。徐々に物流が縮小してきたこともあって、小売りの店や移動販売車などが増えてゆきました。


車や鉄道は電気を必要としない構造に変えられました。動力は蒸気機関車になり、制御はワイヤーやリンクで構成されるようになりました。闇商売とか闇市とか、そういうものはモモコとアオシがその都度摘発するので、あまりはびこることはありません。



わいわい、がやがやと話し込んでいると、ヤクゾウが学校から帰ってきて、話に加わりました。


「車のエンジンは点火プラグが電気でスパークするものだから、電気ではない発火方法を開発しているらしいよ」


「まあ、いずれにしろ、電気がなくなり魔素物理になるんだって。よくわからん」とヤクゾウ。


「神ヤシロで、お手伝いを借りられるらしい。俺、ちょっと見てくるわ」とゴンゾウ。


(今更、畑の収穫をしても、売り先がないので自家消費するしかないが、大根は干し大根にして・・・、保存食にして、市場に出そうか? )




「あのー、畑の手伝いをお貸しいただけると聞いてきたのですが」


「それでは、No3の窓口に行ってください」


No3の窓口に向かうと、そこには緑色の服を来た人が数人座っていました。その後ろには、家事手伝い、荷作業、農作業、山林作業、牧畜作業と書かれた札があります。


「農作業の人は、どの程度の作業がこなせるのでしょうか? 」


「あぁ、何でも指示してみてください。大抵のことはできます。だめな場合は、そう応えますので」


ゴンゾウは注意事項を、聞いて一人借り受けることにしました。食事は不要で、20時になると斡旋場に戻るらしい。朝は指定した時刻にやってきます。このお手伝い斡旋は、ホーソン星復活対策の一環で費用はタダです。

名前は自由につけて良いとのこと。


「おーい、みんな集まってくれ」ゴンゾウが一家を集めた。


「今日から、農作業を手伝ってくれる人だ。名前は『タロウ』にしようと思う。食事は不要だけど、拒まないらしい。やってほしいことがあったら依頼してみてくれ。だめな場合は断られるらしい。仲良くやってくれ!」


というわけで、タロウはゴンゾウについて農作業に行きました。一家に一人が雇えるらしいです。田植えなど一挙にやるものは、複数の家で組んでやることになりましたと。



 お手伝いシステムは、サクラ神がホーソン星復活対策の一環でララ・ゴランに依頼したものです。きっと人手が足りなくなる。生産があまりにも下がると生活が滞ることになるとの考えから、お手伝いさんを貸し出すことにしました。ほとんどホムンクルスです。中には、移民星の人やホーソン人も混じります。センターに知識があって、それを利用するので、個々の資質が必要ではありません。食事は不要です。ただし、原動力になる魔素の取り込みとして日中一時間ほどの日光浴が必要です。ロボットではありません。ちょっとした自我があります。

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