42話 壊滅回避は達成されました。新しい世界へ
「みなさん、ありがとうございました」とサクラ。
ここは、サクラ神の神殿。15人ほどが座れる長いテーブルに、ホーソン神、サクラ神、ララ・ゴラン、とパラレルワールド管理局からゲランとアッカが加わっています。それと、ララの重鎮ペドロ・カガク、エルフ、森人、わらし、妖精の4種族の代表が座っています。
「これから、徐々に魔素物理の世界へ変えてゆきますよ」と私。
「引き続き、修練された魂を持って生まれてくるようにするよ。でも年間120万人が限度だから、当分人口はさらに減少方向になるね」とホーソン神。
「世界樹から新しい芽が出て、少しづつ大きくなっていますわ。ほんとうに良かったわ。ララちゃんのおかげよ」
「爆発を亜空間に飛ばす策は、ちょっとルールに外れるような気がしましたが、結果良ければすべて良しということで、上部に報告しておきます」とゲラン。
300万人のモモコとアオシは、現地で州知事など政の長や組織の主だった位置に就任しました。また、治安維持の要員として各地の警察にも入り込み、500万人のモモコとアオシがあたりました。そう、彼らには、サイコパス検知器と捕縛縄を持たせております。モモコとアオシはホムンクルスで、力は人の3倍、自動修復機能、敵探索機能、自身の物理結界など高性能です。この星の武器では殺傷されることはありません。また、情報は共有されるし、本体である私ララ・ゴランもアクセスできます。
娯楽の国、ゴラン王国が世界を掌握して、治安維持のために多くのモモコとアオシが街中にいます。多くのホーソン人は、モモコとアオシの警備を快く受け取っています。それは、アミューズメントパークで働いていたモモコとアオシを知っているからでしょうか。
さて、魔素物理の世界への移行ですが、次の手順で行います。
太陽からの魔素を遮断している、あの氷の雲を取り除きましょう。一気に取り除くと、地上の電子機器はもとより、電気設備も作動しなくなるので、注意が必要です。電車も車も走れなくなります。
行き交う人々の顔は、悲壮感のようなものはなく、戦争の前より安堵した様相でもあります。不思議ですね。国が変わったというのに、特段困ったことはないようです。人々が生活するうえで制約がなければ、日常は変わらないのでしょう。ただ、反抗的な人々は、いつの世も世界でも皆無ではありません。少しはガス抜きがあっても良いとして、少しは見逃しています。
これからは、徐々に文明レベル3へ下降してゆきます。スマホ、パソコンが使えなくなり、電車も車もやがて動かなくなります。
一方、軍部がなくなりました。これは大きいです。その代わり警察機構を大きくして、そこへ軍で働いていた人々を吸収しました。軍事産業はすべて潰れました。働いていた人たちは、政府機構に再就職したり、他へ就職してゆきました。半年過ぎた現在の失業率は60%から45%まで改善されています。
移民を開始しました。移民先はゴラン王国です。
今日は、記念すべき日です。移民星にあるゴラン邸前の広場で、移民開始記念行事が始まろうとしています。約1万人の参列者やメディア、そして、会場の外にもたくさんの人が集まっています。
「さあ、やってきました。この日を首を長くして待っていました。これからララ・ゴラン様に報告をしていただきましょう。どうぞ、ララ様」
「皆さん、ララ・ゴランです。やっと、移住できるようになりました。希望の地区、職業などを書いて役所に届けてください。追って、案内をします。それから、移住は年20万人が限度ですので、100年ほどかかります」
そして、第一陣がやってきました。




