3話 青い星と同じ惑星軌道に入りました
青い星が所属する太陽系内に入りました。月の軌道に乗って観察するのが便利ですが、青い星の潮汐に影響が出そうです。で、青い星の惑星軌道に乗ることにしました。
緑と水に覆われた豊かな惑星です。ただ、未来を予測すると、たしかに壊滅の危機があると出ております。
「うーーん」
対する青い星では、宇宙を観察していた科学者が接近してくる黒い点を見つけました。
大きさが月ほどもあって、昼間には月と並んで黒い影が見えます。
「すわっ!、宇宙侵略者の到来か!!」
通信を傍受すると、星の地上では大騒ぎになっているようです。
3000年前に、この宇宙が2割に収縮するという災難にあいました。そう、8割が消滅したのです。星間行商人のヨハン・カガクが語るところによると、星が浮かぶいつもの宇宙が見えていました。しかし、亜空間ネットーワークには、どこにも接続できないのです。2,3時間待っても、何も伝わってこないし、伝わりません。ネットワークの故障でしょうか? それは1億分の1の確率もあり得ないはずです。ひょっとして、ブラックホールに飲まれたのでしょうか? それならば、事前に察知できたはずです。とにかくむやみにワープするのは控えようと判断をしたそうです。
後に判明したのですが、ある科学者が仕掛けた災厄でした。そして宇宙の一角から消失が始まったのです。
パラレルワールド管理局が気付いたときは、既に、宇宙の8割が飲み込まれていたそうです。その後、ヨハン・カガクは放浪の後、惑星イベリスでルーレット・カガクに出会い、永住の地を得ました。
幸いにも辺境に位置する、この青い星は災難に会わなかったようです。
ララたちは、惑星イベリスを出発して、早2000年が過ぎました。この宇宙での時間は在って無いようなものなので、話の便宜上2000年とか言っています。変化があれば、それが時を刻んでゆきます。変化とは何なのか? 誰が変化を認めるのか? そう、2000年の時は無常に過ぎてゆきました。
この青い星は、『ホーソン星』と呼びましょう。サンザシの花言葉, 「希望」から取りました。折角、宇宙収縮厄災から免れた、希少な星です。きっと、希望が叶うと信じたいです。
ホーソン星と同じ軌道に乗りました。距離は256万キロメートル離しました。ホーソン星からだと日没時に天中に黒い影が見えるはずです。