26話 宗教の変遷(大学の講座)
教壇には、高名と言われるカガミ考古学教授が立っています。これから、講義が行われるのですが、200人入る教室には50人ほどが席についています。人気はあまりないようです。
人は、自分たちが理解できないもの、手の届かないものなどを神として崇めました。それら神は、天と地と、人の生き死に、作物の出来具合、獲物の多少などなどを采配するものだと、勝手に思い込んでいます。
この星のホーソン神、サクラ神は『神ヤシロ』という、建物に祀られています。神ヤシロは、紀元前3万年の遺跡群からも見つけることができます。石や山、大木などをご神体としていたようです。
さて、現在は神の存在に疑義を申すものが、少なからずいます。少なからずと言いましたが、否定が1割、何んとなく信じているが8割、全く信じている者が1割です。正月の初参りや、百日参りなどは、広く慣習として行われているのですが、形骸化しているとも言われております。
さて、魂の話をしましょう。魂を説く人は、およそ3000年前から出てきました。
「人は死んだらどこへ行くのか? 」、そのような疑問を持って、それを説く白衣の人に多くの人々が集まりました。そして、この東西の大陸に5つの宗教ができました。
西の国では、死んだら魂は真っ白になって、再びこの世に生を受ける。だから、あの世を心配する必要はない。一方、この世が極楽でもあり地獄でもある。と布教した者もいました。
東の国では、死んだら煉獄というところに魂が行く。この世でなした善悪に鑑みて、極楽から地獄まである。魂の蘇りはない。という、宗教が定着しております。
『人は生まれながらにして、善である』と唱える人もいますが、生まれた時の魂は真っ白です。この解釈は東西とも一緒です。これは、150年前に古い遺跡が発掘され、そこには100年戦争と神との約束が描かれていたそうです。その約束とは、『生まれ来る魂は真っ白でお願いします』とありました。これが、神との約束だそうです。残念ながら、理由が書かれているらしいところの損傷が激しく、読み取れなかったと。
しかし、私は損傷をつなぎ合わせて推測したところ『育てる過程で善に導くことを誓います』と書かれていたのでは思います。
我々は、今日、再び100年戦争のような大規模の戦争を繰り返そうとしています。そして、世界の人々はその日が来るのを薄々気づいています。しかし、神とお話しする手段のない現況では、滅びの道を進むしかないようです。大量破壊兵器が東西の国でたくさん作られ、今にも発射されそうです。
教室の中ほどで、そんな話をララ・ゴランとサクラは、じっと聞いておりました。
ここは、サクラの家にある応接間です。サクラ、ホーソン、ララの3人が座っています。
「うん。今日は、この星の人々が、神をどのように思い、魂の修練を望んでいることを、垣間見ることができました。私は、この星を長年見守ってきました。愛おしい子供たちです。滅びは回避したいです」とサクラ。
「サクラの思いは、よーっくわかるよーん」
「ホーソンさん。真面目に対策を練ろうね」




