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ひきたい女とひかれたい男  作者: コヨコヨ
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ひきたい女とひかれたい男

4.ひきたい女とひかれたい男


私たちが出会ってまだ数ヶ月…私は彼のことをずっと前から知っていた。


ずっと前から彼のことが気になって仕方がなかった。


行動し始めたのは、友人の言葉からだ。


「早くしないと、他の人に取られるよ。それでもいいの?あんたの好きって気持ちはその程度なの?」


他の人に取られるなんて絶対に嫌だった…しかし、私と彼に接点なんてものは一個もなく、毎日毎日あたふたするだけ…


それを見かねた友人がアドバイスをくれた。


「もっと相手のことを知らないと。好きなものとか…何に興味があるかとか…アルバイトは何かやっているのか…とかね。そこから漬け込んでいった方が効率的なんじゃない」


友人のアドバイスは的確だった。


私は彼のことをもっと知るべく、放課後や昼の休み時間に彼を観察した。


アルバイトをどこでするのか…好きな事は何か…彼の友達がナイスな質問を彼に投げかける。


そこから私は彼が興味を持ってくれるように努力することにしたのだ。


ギターを買って練習し、弾けるようになった。


彼のアルバイト先にも突入した。


そして彼とデートまがいなことまですることが出来た。


しかし、これはほんとの私なのだろうか…彼の好きなもので着飾って、本当の私は内に秘められたまま…先輩を好きであることは変わらないけど、このままじゃ私自身の好きがどこかへ行ってしまう気がする。


この数ヶ月間私は私の好きを蔑ろにしていたような気がした。


先輩が効いてきたのだ


「どんなことが好き?」


その一言に私は戸惑った、私は何が好きだったんだろうと。


先輩のことは大好き、この場で叫びたいほどに。


しかし、私の心はぽっかりと穴が開いたまま…


私が1人、屋上で耽っていると友人が声を掛けてきた。


「何ボーとしてるの、先輩と良い感じなんでしょ?良かったじゃん」


私は友人にこのことを話した。


「何言ってるの?あんたそんなことも分からないの…あきれた…」


私は真剣に悩んでいるというのに…友人は呆れた顔でこう言った。


「あなたは先輩が好き…あなたは私のことが好き、あなたは食べることが好き。この好きに違いなんて無いの!あなたの好きは蔑ろになんてなってない、ただ偏っているだけ。人が好きになれること、夢中になれることなんてほんの少ししかないんだから。今好きなものを大事にすればいいじゃない。例え好きが変わってもあなたの気持ちはおかしくないそれは普通のことなの、あなたが私のことを嫌いになったとしてもそれはおかしなことじゃない、先輩の嫌の部分を見て嫌いになってもおかしなことじゃない、大切なのは好きでい続けることではなく、自分がどう在りたいかってこと。私はあんたの友達で在りたい、例えあんたが私を嫌っても私はあんたの友人でありたいって思う。それだけじゃダメなの…」


なぜか私は涙を流していた…


私の胸に空いた穴は既にふさがっていたのに…勝手に自分で大きく広げようとしてただけだったことに気が付いたのだ。


「何泣いているのよ、女の涙は最後の切り札でしょ!ってまぁいいは、今は泣きたいだけ泣けばいいわよ」


そう言って友人は私を強く抱きしめてくれた。


私は屋上から下で歩いている先輩に大きな声で叫んだ。


「先輩!私の好きなもの分かりました!」


先輩も私のことに気が付いたらしく手を振ってくれた。


「先輩!私は!先輩のことが大好きでーす!」


大声で叫び、胸に秘めた感情を一気に吐き出す。


先輩はさぞ恥ずかしそうに下を向くがさっと上を向いて叫び返した。


「俺も!お前のことが好きだー!」


すごくうれしい…私の好きは間違っていない…そう感じた。


この先なんてどうなるか分からない、私の一日一日は死ぬまでの道のり、でも大切な気持ちを育てていく道のりでもある。


楽しい思い出、悲しい思い出、辛かったこと、笑いあったこと、全部ひっくるめて私の好きな気持ち…


どんなことがあっても私の気持ちが変わらなければ大丈夫。


日々は怖い事だらけ、でも楽しいものであふれていることもまた確か。


要は自分自身の捉えようの問題なのだ。


「先輩!ありがと~!」


友人は後ろで私の姿を眺めていた。


最後まで読んでいただき、ありがとうございます!


もし少しでも、面白い、思って頂けましたら、差支えなければ高評価、いいねを頂ければ幸いです。


よろしければ、他の作品も読んでいただけると嬉しいです。


これからもどうぞよろしくお願いします。

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