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白い空間でのお話

作者: 暇人

白い部屋。いや、部屋なのかすらわからない。右も左も上も下もすべてが白。

そんな変な空間のお話。


そんな変な空間で俺は目を覚ました。

すごくだるい。まるで何日も眠り続けていたような感覚だ。

俺は強烈な倦怠感を覚えながら起き上がった。

ここはどこだ?

そこは全く見覚えのない場所だった。

右も左も上も下も、360°すべてが白でできたなにもない部屋。

だが全くなにもないというわけではない部屋に大きな扉があった。

その扉はとにかく大きかった。

正確な大きさはわからないが巨人でも住んでいるんじゃないかと思うほど大きかった。

だがそれだけ、この部屋にはそんな大きな扉以外なにもない。

(とりあえず行ってみるか)

俺はその扉に向かって歩き出した。

扉に近づいていくと、扉の前に男が立っているのがわかった。

その男は手にクリップボードのようなものを抱えている。

(さっき部屋を確認したときあんな奴はいなかった。)

俺は警戒をして近づこうか迷ったが、あの男はなにか知っているかもしれない。

そう思い近づことにした。

「あっ!」

近づこうとした俺に気づいた男が突然驚いたように声を上げた。

「あ~、まだ残ってたのか。」

何の話だ?と疑問に思っていると

「本当はもうこの先に行ってるはずなんだけど。」

男は扉の方を見ながら

「もう扉は閉めちゃったんだ。」

と男は言った。

「いやぁ~、ほんとごめんね、まだ残っているなんて気づかなかったよ。」

(ごめんと言う割に軽いな、こいつ。)

「すぐ連絡して、この扉開けてもらうから許して、おねがい?」

そう言って男は頭に指先を当て独り言を呟き始めた。

何をしているのかそう疑問に思い聞こうとしたら...

「悪いね。じゃあ頼んでいいかい?ありがと~。ほんと助かる、後でご飯おごるね。それじゃあ頼んだよ。」

そう言って指を頭から離した。

それから俺の方に向いて、

「扉、10分くらいで開けてもらえるそうだからそれまで待っててくれるかい?」

そう言った。

「それにしてもほんとにごめんね。僕の不注意でこんなことになっちゃって。

10分間何もしないのもあれだし、僕と少しお話でもしようか。」

ここはどこなんだ、そう俺は尋ねようとした。

だが言うことができなかった。

声が、出なかったのだ

何だ、どうして声が出ないんだ。

「うん?もしかして今まで気づいてなかったの?」

(気づいていない?なんのことだ?)

「だって君、声帯がないじゃん。だから声が出ないんだよ。」

男は俺に指を向け、そう言った。

(はあ?何を言っているんだ?)

俺は男の言っていることが理解できなかった。

「まぁ、声帯がないって言うかそもそも肉体がないんだけどね。」

(...本当にこいつは何を言っているんだ?

薬でもやってるんじゃないか?

肉体がない?そんなわけないだろ。現に俺は今こうやって自分の足で立ってあんたと話して...)

そう言おうとしたが、声が出ない。

どれだけ声を出そうとしても、一切声がでない。

(いや、そんなはずない。

あるはずがないのだ俺の肉体がなくなっていることなんて...)

「そんなに疑うなら自分で確認してみなよ。自分の体が今どうなっているのか。」

(...たしかにそうだ。

自分の体を見ればすぐにこいつの言ったことが嘘だということがわかる。)

そう思い自分の体を確認する。

(.......................)

そこには何もなかった。

手も足も何もなかった。

「ほら、言ったじゃん。君には肉体がないって。」

...何も言うことができなかった。今の自分の現状を把握することに精一杯だった。

「あー、一応君の現状について説明しとく?」

その質問に俺は首を縦にふる。いや、そもそも肉体がないから首をふることができないのだが…

「おっけー、じゃあ説明するね。」

どうやって俺の返答を知ったのかはわからないが男はそういった。

「まず、君の現状を知る前にここのことを説明しないといけないね。」

“ここ”とはおそらくこの白い部屋のことだろう。

「ここはね、君たちの世界で言うところのテンゴクってやつだよ。

そして僕はここに来る者たちの管理を任されている。

まぁ、いわばテンシってやつだ。」

こいつの言っていることはかなり理解しがたいことだ、だがおそらくこいつの言っていることは本当なのだろう。

そして、もしあいつが言っていることが本当なのだとしたら俺はおそらく…

「あー、質問はあとにしてね。いちいち答えてるとめんどくさいから。

管理って言っても大したことはしてないよ。

ここに来たものが暴れたり、逃げ出そうとしたりするのを止めたりするだけ。

あと、今やってるみたいに現状の説明とかね。」

それが僕の仕事。と、こいつは言った。

「そしてなんとなく予想は出来てると思うけど君は死んだ。

正確には君の肉体が死んだのほうが正しいけどね。」

...やっぱりか。俺は死んだんだな。だが肉体が死んだとはどういう意味だ?

「君は肉体が死んで、魂が生き残った。つまり今の君は魂だけの存在。だから意思はあるのに声が出なかったりするんだよ。」

そこで男は話を止め「なにか質問ある?」っと言った。

(まだ完全に理解したわけじゃないが大体の事情はわかった。)

「物分りが良くて助かるよ。この話すると暴れたりするやつもいるからさ。」

当たり前だろう。起きたら知らない場所いていきなり君は死んだと言われるんだ。

暴れたりもするだろ。

そんなことを考えているときふと疑問に思ったことがあった。

(俺は今からどうなるんだ?

俺が死んだということはわかった。ここが天国だということも。

ここが天国だというのなら俺は今からどうなるんだ?転生でもするのか?それとも天国で過ごすのか?)

「君には今からあの扉の先に入ってもらうよ。」

(あの扉の先には何があるんだ?)

「さぁ?何があるんだろうね?僕にはわからないよ。」

(さぁ?ってお前はここの管理人なんだろう?いや、正確には人じゃないけど。)

「何があるのかはわからないよ。ただ何が起こるのかはわかるよ。」

そう言ってこいつは俺の方をみて笑った。

(...何が起こるんだ。)

「死ぬんだよ。」

(はぁ?)

何を言っているのか理解できなかった。

「死ぬって言っても肉体じゃなくて、魂のほうね。」

(...天国っていうのは死者を祝福するところなんだろ?)

「そうだね、だから祝福しているじゃないか」

(...何を言っているんだ?もしかして死ぬのが祝福だとでも言いたいのか?

死ぬなんてただの罰じゃないか。それに魂が死んだらどうなるんだ。)

「罰だなんてひどいなー。

死ねるなんて、君たち人間にとって最高の祝福じゃないか。」

(...本当に何を言ってるんだ?)

「だって死ねば何も考えなくていいんだよ?肉体が死んで、魂も死ねばただの“無”になる。そうなればなにかに怯える必要がないし、不安だってない。ストレスもなければ、不幸だと絶望することもない。何も思わず何も感じずただそこに存在するだけ、恐怖も何も味わうことがない。そんな幸せな事、他にあるかい?」

そう笑顔で語るこいつを見て俺は

“狂ってる”

っとそう思った。

突如、なにか大きなものが動くのを感じた。

「おっ。こんな話をしている間にドアが開いたみたいだ。それじゃ素合わせに死んできてね。」

そう笑顔で言ってくるこいつを見て逃げようとした。

だが、

「あっ、こらどこに行くのさ、逃げちゃだめだよ。」

あっさりと捕まってしまう。

(くそ、離せ!)

「あー、もしかして怖い?でも大丈夫あの扉の先に行けばそんな恐怖なくなるから。だから安心して逝ってきな。」

そう言って、俺を扉のほうへ連れて行く。

そして、俺はまともに抵抗することもできず扉をくぐらされてしまうのだった。


「ふぅー。今日の仕事は終わり、と。」

そう言って僕はクリップボードに挟んであるリストにチェックを入れる。

「にしてもなんで人間って死ぬとわかった瞬間あんなに暴れるんだろうな?」

「それはきっと、価値観の違いと言うやつなのでしょう。」

っと後ろから女性の声が聞こえた。

「何だ君かびっくりさせないでよね全く。」

「そんなことより先にいうべきことがあるんじゃないですか?」

全くこの子は、後輩のくせにちょっと生意気なんだから

「その先輩に対しての態度は改めるべきだけど。

ありがとね、正直助かった。あのまま扉が開かなかったらとあの子をちゃんと送れなかったかもだし。」

「わかればいいんですよ。わかれば。それより先輩ご飯おごってくれるんですよね?」

「そうだね。今回は本当に助かったから何でも好きなものおごるよ。」


これは白い空間で起きたお話。


終わり。



終わり方雑になったけど初めてこういうの書くから許して! by作者


小説を初めて書きました。

だから、おかしな点とか多々あると思うけどみのがしてくれたらうれしいなー


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