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追放
「おい。お前はクビだ。なんでなのかはわかるよな。」
「あなた、いや、役に立たないクズはこのパーティーには必要がない。出て行ってくれる?」
「同じく。」
「代わりはいっぱーいいるもんねぇ!」
「ん。」
俺はノーム。Sランクパーティーにいた。自力でAランクまで上り詰め、このSランクパーティーに誘われた。
リーダーのリュウ。“元”妻のフレシア。聖職者のライト。勇者のパトゥス。無口のエル。そして、賢者の俺。
なんやかんやいって5年程組んできたが、俺は全く成長することが出来なかった。周りからは「廃棄の賢者」や「死の賢者」などひどい時には「存在価値無し」とまで言われていた。成長することができないと、新しい魔法や、レベルなどが上がらず無能になってしまう。お先真っ暗ってやつだ。
先程、パーティーを抜けて、冒険者を辞めてきた。冒険者カードは証明書にもなるので取っといておいたが、大丈夫なのか。まぁいいや。久しぶりに教会に行って、経験値がどのくらいになったかを確認しよう。