第1章 スーパー小学生??
死に戻りなのか神の仕業なのか、とにかく記憶を残したまま過去の自分に戻る事が出来た俺はまず自分がいつの時代に戻ったのかを確認する。
新聞の年号を確認すれば良かったのだが、何せ35歳から小学生に戻ったのだから25年以上の年号を遡るのは手間だと思いランドセルの中身を取り出す。
ノートにしっかり書いてある。
【1年2組】
(なるほど。小学校1年生かぁ)
(しっかり基礎から人生やり直せって事か?神様だか何だかんだ分からないけど気が効くなぁ)
(ってかどこで失敗したんだっけなぁ?)
そんな事を考えて35年の人生を振り返る。
特に特出した才能や能力も無く、他人より唯一
上手かったのが野球。
甲子園を夢みて強豪校に入学したものの、夢叶わず。
怪物級の才能を目の当たりにし、プロ野球選手になる将来の夢も勝手に諦めた。
ただ行っただけの大学を出て、やりたい仕事も見つからず、父親が会社を経営していた先輩を頼って平凡な会社に就職した。
営業職に就いたが秀でた成績を残す事も無く、与えられたノルマだけをこなす日々。
しまいには先輩が起こしたミスを擦りつけられクビになった。
(野球がダメだったのか?いや、でも野球は好きだし、2回目の人生でもまたやりたいなぁ。野球は趣味に留めて、勉強を頑張るか。いや待てよ、勉強しなくても1度目の人生で得た記憶を頼りに、株やら投資やら競馬で将来金は稼げるな…。)
そんな事を考えてると母の声がする。
「早くご飯食べて学校に行かないと遅刻するわよ」
(そういえば、いきなり見た若い母と幼い姉に面食らって逃げてきたんだった。まぁ時間はたっぷりあるし、今直ぐ考えなくてもいいだろう)
そう思い、何事も無かった顔をしてリビングへ戻り、朝食を済ませてから懐かしの小学校へ向かった。