序章 死に戻り??
人生に失敗はつきものですが、人間誰しも二度目の人生があったらなんて空想はよくするものだと思います。
そんな二度目の人生を私の希望や夢も含めて書いていきます。
なるべく毎日投稿していきますので応援宜しくお願いします。
俺の名前は尾崎卓也、35歳。
なんの取り柄もない平凡なサラリーマンだった。
誰もが一度や二度思った事があるだろう。
「小学生の頃に戻りたいなぁ」とか
「あの時あの瞬間に戻れたら俺の人生変わってたのになぁ」とか
ここ1ヶ月位、寝ようとして瞼を閉じる時、必ずそんな事を考えながら眠りに就き、翌朝、当然の様に次の日がやってくる。そんな毎日を繰り返していた。
何故毎日そんな事を思うのかって??
そりゃ転職適齢期なんてとっくに過ぎた、平凡な男が仕事をクビになり、嫁にも逃げられたら現実逃避もしたくなるでしょうが!!
そんな毎日を繰り返していたある日、いつもの様に昼間は職探しをして、家に帰り、缶ビールを数本飲み干し、コンビニ弁当を平らげてからそろそろ寝ようかと思いベッドルームに向かう途中、いきなりそいつは襲ってきた。
「うっっ」
胸の奥が締め付けられ、痛みと同時に息苦しさが襲い意識が朦朧とする。
(やばい!!なんだこれ??)
そう思いながらもどうする事も出来ず、膝から崩れ落ち徐々に意識が無くなっていく。
嫁に逃げられてから毎日の様に酒を飲み、碌に野菜も摂らない生活をしたツケがまわり俺は死んだはずだった。
(なんだここは?)
そこは真っ白な空間だった…。
ただ、そこに居るというより、意識だけが存在している。そんな感覚の場所だった。
「そなたの望みを叶えてやろう」
確かに声が聞こえたと同時にまた意識が薄れていく…。
次に気が付いた時にはベッドの上にいた。
ベッドの先には勉強机がある。椅子にはランドセルが掛かっていた。
(どこだここ?ん!?)
そこはよく知ってる場所だった。
(ってか俺、さっき死んだよな?なんで実家に居るんだ?まてよ。机?ランドセル?俺の部屋ってこんな感じだったかなぁ?)
(机なんて大分昔に捨てたはずだし、ランドセルって?)
(暫く実家にも戻ってなかったからなぁ。)
(実家近くに住む姉家族の甥っ子の為に勉強机買ったのか?)
そんな事を思いつつも身体を起こし、深く考えもせずにリビングへと足を向けた。
リビングのドアを開けると母が居た。
「えっっー!!」
思わず叫んでしまった。
「何朝から叫んでるのよ?早くご飯食べて学校行く準備しなさい」
母はそう言ったが反射的にリビングのドアを閉めた。
(なんだ今の??)
さっき見たのは間違いなく母だったが、俺の知ってる母じゃない。いや、正確に言うと昔の母だ。
(なんで母親が若返ってるんだ?)
そんな事を思いつつ閉めたドアの前で呆然と立ち尽くしていると後ろから声を掛けられた。
「ちょっとー!!邪魔なんだけどどいてよそこ」
「えっっー!!」
俺はまた叫んだ!!さっきよりも更に大きな声で。
目の前には小学校低学年位の女の子がいた。
女の子だけど知ってる顔だ。
そこには俺の記憶の奥にある姉の姿があった。
姉はなんだこいつ??みたいな顔をして
「何いきなり叫んでるのよ?バカじゃない?」
そう言いリビングへと入っていった…。
瞬間的に俺は猛ダッシュで自分の部屋に戻りクローゼットのドアを開けた。
自分の姿を確認する為にドアの内側にある鏡を覗く。
「なんじゃこりゃー!?」
俺は叫んだ。懐かしの刑事ドラマの主人公バリに。
鏡の中には俺が居た。
(何がどうなってるんだ??母が若くて姉が小学生で俺も小学生??)
(まてよ。さっき俺は死んだよな?で、なんか白い空間があって…)
「そなたの望みを叶えてやろう」
さっき聞いた声が頭の中で蘇る。同時にはっきり認識した。
(望みが叶った!!)
突然訪れた二回目の人生に俺は大興奮した。