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転生と出会い

17歳の平凡な高校生、一樹(かずき)は塾帰りに自販機ジュースを買おうとしていた。その時だった!!


グサッ…。


田村一樹

享年十七歳

死因:特に理由の無い通り魔による殺人事件の被害者になってしまった事による出血多量。



「……。」

ハッ。

ムクリと起き上がった一樹は辺りを見渡した。

「雲の上…?てか僕死んでなかった??気のせいか夢かな…??」


「やっとこさ起きたんですね。」

一樹の上の方から声がする。

一樹が上を見てみると、そこにはいかにも天使見たいな格好をした女の人が浮いて居た。


「やっぱり夢だな。」一樹がそう確信し、一言呟くと女の人はそれに応答してこう言った。


「夢じゃないです。」


〜夢じゃなかった!!〜


ソレを聞いて一樹は恐る恐るほっぺをつねった。


「痛い」


〜やっぱり夢じゃなかった!!!〜


一樹が困惑していると女の人は説明を始めた。

「あなたは良くわかんない人に特に理由も無く刺されて死にましたんで、可哀想だから神様がコンティニューしても良いよとのことです。」


「???」


「異世界転生と言う奴です。」


「成程」


一樹はまだ困惑していたが取り敢えず「成程」と言う事にした。

しかし未だ困惑している一樹に次の一言が致命傷を負わせる!!


「転生先はウグイスです。」


〜ウグイスだった!!〜


「は?」


「ウグイスです。」


「は?」


「鳥のウグイスです。」


「知ってますよ?」


「漢字で書くと鶯です。」


「元号発表見たいな動きで漢字書かれた色紙見せられても…。てか達筆だな」


「でしょ?」


「(なんだコイツ)」


「とにかくウグイスです。これは決定事項です。変更不可能です。」


「あーもう頭おかしくなりそう。第一、異世界にウグイス居るんですか?」


「居ないと存じます。」


〜居なかった〜


「大丈夫ですか?ソレ」


「知らーん。鳥は普通に居るし大丈夫なんじゃない?」


〜適当だった〜


もう何が何だか分からない一樹に駄目押しと言わんばかりに一言が送られた。

「後30秒で転生するからヨロシク。能力はサポートに全振りしてるし、成鳥の状態での転生だし、寿命人位だし、人の言葉は喋れるし、異世界の言語は神様が頭に叩き込んで置いたから何とかなると思うってよ。」


「え、ちょっ、まっ」


「がんばれー。」


「うわああぁぁぁぁああ……」


一樹は目の前が真っ暗になった…。



「う、う〜ん。」

パチリと目を開いた一樹は辺りを見回してみた。

わかりやすく中世の街が一樹の目に飛び込んでくる。

どうやら、街の広場に居るらしく、噴水の音が清々しい。


「うわ、本当に転生した。視界低っく。」


一樹は自分の身体を調べてみた所、

「何だこれ」

左の翼の内側が異空間の様に成っているのに気付いた。

「アイテムボックス代わりじゃん。」

異空間の中を調べてみたが何も無い事に気付くのは時間の問題だった。


「物品は無い…。使えそうな能力も無い…。こうなったらあの技を使うしか無いな……。「おねだり」を………。」


説明しよう!「おねだり」とは!!

スゝメやハト等の小〜中サイズの鳥が主に行う行動であり、ベンチで座っているお婆ちゃんや昼食中の大学生に近づいた後、プライドを犠牲な可愛い鳴き声で餌を貰おうとする事である。


「丁度噴水の周りにはベンチあるし、お婆ちゃん座ってるし。」

決心するとお婆ちゃんの元にヨチヨチ歩きで近づく一樹。お婆ちゃんの足元まで接近すると

「ホー…ホケキョ。」

と一声。


お婆ちゃんはビックリした顔をしたが直ぐに笑んだ顔に戻って、

「おやおや、可愛い鳥さんだねぇ。」と言いつつ鞄から取り出したパンを千切りだした。


(やった!)


一樹、心中で渾身のガッツポーズ。


やがて千切られたパンが地面に落ちて来る。

何個か啄んでもう一声「ホーホケキョ」と鳴くとお婆ちゃんは微笑みながら何処かに歩いていってしまった。


一樹はそこまでお腹は空いていなかったので食わなかった分を左翼の異空間に収納して、今後を考えていた。その時だった!!


「なんじゃありゃあぁ!!」


数メートルはあるであろうバカでかい狼の様な動物を二人の冒険者と思われる女性が台車に乗せて引っ張って行っている。それを街の人々は一樹と同じ様に目を丸くして二人と台車を見ている。


「イヤー、疲れたねノユキ。」

気さくな声で金髪の剣を腰に差した女性が話しかける。

「途中、凄い危なかったんだよ?あの時私が矢を外したらティナルーはどうなっていた事か…。」

半ば呆れた声で白髪の弓を肩に掛けた女性が応えた。


歩いて行く二人を眺めていた一樹は取り敢えず付いていく事にした。

全くの無経験だったが頭に叩き込まれているのか飛ぶ事が出来たので付いていくのには苦労しなかった。


「フーッ、着いたー。」

ティナルーと呼ばれた金髪の女性が喜ばしく呟いた。


二人の眼前には巨大なホールの様な建物が有り、その中に入って行く。


「東京駅かな?」

実際は第一回万国博覧会の水晶宮の方が近い様な気がしなくも無いがどっちでもいい様な感じである。


さて、東京人でも無いのに東京駅かなと言った感想を抱いた一樹はまたもヨチヨチ歩きで二人に付いていく。


二人が入るや否や建物の入口付近の人から驚駭と感嘆の混じった声が響いた。


受付嬢らしい人に二人が近づきティナルーが「これヨロシク」と言って台車を親指で差した。


「これはメガロウルフ…!?Sランク冒険者が10人規模のパーティーを組んでも苦戦する程なのに……。流石SSランク冒険者のノユキとティナルーさん!!」

受付嬢が台車の動物を見てひっくり返りそうな程驚いている。


「何かあの二人めちゃくちゃ強い見たいだな。」

受付台の下で二人と受付嬢の会話を盗み聞きしていた一樹はそう理解した。


「では、コチラがメガロウルフ討伐での小切手75万ルペになります。」


「サンキュー」

ティナルーが気楽な声で礼を言うとそのまま二人はホールを後にした。

一樹も取り敢えずそのまま付いていく事にした。


しばらく行くと二人は肉屋で焼き肉を買って、何処かの公園で座って昼食を食べ始め、先程何個がパンの欠片を啄んだが殆ど食べていなかった一樹も空腹を感じていたので二人の横で取っておいたパンを食べることにした。


「ん?何だコノ鳥っころ。」

ティナルーが一樹に気付き興味を示した。


「鳥がどうしたの?」

呼応する様にノユキも興味を示す。


「この鳥がさぁ、どこで得たか知らんけどパンを喰ってるんだよ」


「ふーん…。だから?落ちてたんじゃないの??」


「何か怪しい。」


「バカじゃないの?たかが鳥じゃん。」


「手乗りするかな??」


「んな訳。野鳥でしょ?」


「あ、乗った。」


「え?」


そこにはティナルーの手の甲に乗った一樹が居た。


「何だコイツ人懐っこいなぁ。」


「懐っこ過ぎるでしょ。」


「よし、決めた!」


「??」「??」


困惑する一人と一匹を交互に見たティナルーが高らかに言った!

「コイツをパーティーに加える!!」


「!!!???」


「本気?」


困惑する一匹と正気を疑う一人。


「安心しろ。パーティーに加えるのは逃げるまでだ。去るもの追わずって奴だね。」


「まぁ、もう何でも良いや。」


「よっしゃ!じゃ名前決めるか。そうだなー……」


「(話がトントン拍子過ぎない?)」

一樹がそう思った時であった!


「ピヨで!!!」 


〜命名:ピヨ〜


「ひっでぇネーミング」


ノユキの言うとおりである。



こうしてウグイスに転生してしまった一樹改めピヨの物語が始まるのであった…………。

友達との会話の勢いで作る事になった物です。

後悔はちょっとしてる。

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