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知悉者

ドグラ・マグラをモチーフに書きました。

少し気持ち悪いあるかもしれません。

あとすごく拙いので読みづらいですが、意味が伝わってくれるように書いたので許してください。

「私は誰だ?」

「私はどうしてこの部屋にいるんだ?」

「私は....なんなんだ」

私がそう鏡に問い続け1ヶ月が経った。

一体、いつまでこうしているのだろうか。そもそも1ヶ月かどうかも怪しい。体内時計で測った結果なだけで、もしかしたら1ヶ月ではないかもしれない。

なぜならこの部屋には、時計がない。この物件に日照権は適応されていないようで、朝か昼かもわからない。まさに幽閉するのに最適な空間だ。なぜ閉じ込められたかの説明はされていない。その前に、どんな経緯でここに連れてこられたかさえ覚えていないのだ。

そして何より、自分が何者であるかも覚えていないということが問題だ。自分は男であって、年は、鏡に映る顔から10代後半~20代前半と言った顔をしているのではないかと思う。それ以外は覚えていない。趣味嗜好や、何者か、まったくわからない。

誰か、助けてくれ。私を出してくれ、ここはどこなんだ、私は誰なんだ。助けてくれ、助けてくれ。

私は、憔悴しきっていた。

「ぎゃああああああああ」

どうやら、鏡に隠れて見えていなかったがこの部屋には扉があったらしく唐突に女が奇声を発しながら扉を開けて私の前に現れたのだった。

「ロンドンの神様の言祝ぎを、アアアア私は受けたのです。リストに入れられた人は皆レントゲンなのです。コノ砂漠のアアアアアアア、網膜に伝わる塩分が素晴らしい銀河を作っいています。ンアアアア」

扉を開けた瞬間、その女は合間に奇声を挟みながら支離滅裂なことを言い、倒れたのだった。一体どういうことかと思ったが、考えるのをやめた。

なぜなら、扉があることを知ったからだ。良く考えれば、入ってきたならば出る場所ももちろんあるというのに、鏡ばかりの部屋で記憶がなくなってしまった私はそこまで考えが至らなかったのだ。

愚かな自分を叱責し、外へ出ようとしが、私は直ぐに外へ出るのを辞めてしまった。

なぜなら、この女の処理ができていないからだ。いくら変な人間だと言っても、人間は人間であって倒れたならば助けなければならないだろう。扉があるということを教えてくれた救世主なわけで、何より、私には記憶が無いため、この女をどうにか頼ることが出来ないかと考えたのだ。

そして女を見ると、美しかった。可愛いという訳では無い。妖艶で、壊れやすそうな顔をしていた。体つきもなかなか魅力的で、痴漢ならば手を出そうとしているところだと思う。これは好機なのでは、という考えが脳裏が過ぎった。この気狂いならば、私がこの女の各所を触ってまぐわうことが出来るのではないか、

「おいしい相関図の形骸化した劣等感を舐めるならアアアア、今です。かの幸せの詭弁が今卒塔婆にアアアア、噛み付こうとしています。せかいは乱れた射幸心の上の末路なのです。」

あぁ、涎が出てきそうだ、私はこの部屋に入った時は絶望に塗れてしまったものだが、こんな幸運が私を待っているとは思いにもよらなかった。この場所に連れていただいた人に感謝し、犯そうとした。

だが、これも辞めてしまった。

萎えてしまったのだ。こんな状況でそのような謀を考えてしまう自分や、こんな気狂いの女を自分は今、犯そうとしていた。その事実に私は馬鹿らしくなってしまった。

「なんですか、やっぱり辞めてしまうんですね。これで、30人目ですよ。最近の人間はこの美貌じゃ惹かれないのかしら」

やめた途端、さっきまで奇声とワードサラダしか話さなかった女が、いきなり普通に話したのだった。

「30人目?私は、初めて閉じこめた人間じゃないというのか?」

「えぇ、そうですよ。にしても、この美しい顔でよく犯さずにいられましたね。かなり気が狂ったような演技をしていたつもりだったのに。」

よく自分で自分の顔が美しいと豪語できるな、と思ったが、

「いや、私はそんな愚策を実行するような人間じゃありませんよ。」

「最初はしようとしていたのに?」

何も言い返すことが出来ず、黙ってしまった。

「まぁ、人間そんなものですよ。それは知っていましたから。知ってた上でこんな気狂いを演じた訳ですしね。」

「それはそうと、ここはどこですか?教えてください。今から外へ出たって、自分の記憶が無いのです。少しでも情報が欲しいのです。あとあなたはどなたなんですか?どうして狂った人間を演じるような真似を」

「質問が多くて怜悧じゃないですね。まぁ知能が低いと思ったからこの部屋に招待した訳ですが。」

少し癪に触ったが、聞き流し次の言葉を待った。

「私は優しいので答えてあげますよ。優しいので。ここはある家の地下ですよ。あなたの家からはそう遠い場所じゃありません。もし、あなたが何事もなく生きて帰れるのならば色々と教えてあげますよ。ですが、私にはあなたの未来がわかっているので無理だと思いますけどね。」

「何を言ってるんだ。あなたがここに私を閉じ込めたんでしょう?教えてくれないのであれば警察に訴えますよ?」

我慢ができなかった私は、愚かにも敬語をなくし、怒りまじりながら詰ってしまった。

「あなたは記憶が無いのに、よくもまぁ訴えようなんて発想が浮かびますね。いや、この一面鏡張りの部屋でおかしくなったのかもしれませんね。それはまぁこちらの計算通りな訳ですけど。」

「質問に答えろ!」

「あらあら、沸点が高いですね。水だって99.974℃あると言うのに。それとも、今になって私を犯さなかったことを後悔しているんですか?」

全く質問に答えない蒟蒻問答だ。犯したいと思ったのだって気の迷いだと言うのに。

「そんなに怒るならば、こちらをご覧になってくださいよ。」

そういうと、1つの鏡を取り外した。中からはテレビが現れたのだった。

「このテレビの内容を見るときっとあなたは幸せになりますよ。」

そう言いながらその女はテレビをつけるのだった。

テレビに映されたものはどこかの部屋らしく、女子小学生と思われる者が3人、10畳ほどの大きさの部屋に遊んでいた。

「ほら、見てください。これでなにか感じませんか?」

私は、驚いてしまった。映し出された女子達の可愛いさに生唾が止まらなかったのだ。美味しそう、純粋にそう思ってしまった。

「あなたが私を犯さなかったの理由はあなたの対象が女子小学生だからですよ。どうですか、可愛いでしょ。犯したいでしょ。」

そんなの当たり前だ、こんな純真無垢な笑顔。犯さずにいられるわけがない。至極当然な話だ。

「実は、この部屋がどこにあるかの地図が私の手元にあるんですが、欲しいですか?」

私は食い気味に、「欲しい」と叫んだ。

「正直ものは好きですよ。では差し上げます。女子小学生はいいですよね。どれだけ犯しても孕まないんですから。」

そう言って地図を貰った私は扉から出て真っ先にその部屋に向かったのだった。

自分が何者か、だなんてどうでもいい話だった。だって、女子小学生がいるんだ、あの可愛い女子小学生と一緒に遊べるならどうだっていいじゃないか。アハハハハ、なんて私は幸せなんだ!

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どうやら、最近の男はロリコンが多いらしい。私のこの美貌に反応されないのは悲しいが、これは30人目だ。反応されないことを計算に入れて考えている。鏡ばかりの部屋で精神を狂わせ、私の気が狂った人間の演技で、本能を呼び起こさせ、最後に女子小学生の映像を見せて興奮させる。うん、素晴らしい企てだ。さすが私。私は世界を全て把握してるんだわ。

さて、また獲物を見つけることにしますよ。といっても同じような顔の人間を烏合の衆から選ぶだなんて簡単な話、ですけどね。

なんて言っている間にまた見つけてしまいましたよ。また記憶を消して調教しましょうね。楽しみだな。

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ここは一体どこなのだろうか。私には全く記憶が無い。自分が誰かすらも思い出せない。だがあいにく、この部屋は一面鏡ばりになっているらしく、自分の顔という情報だけはあった。だから、私は鏡に映った私に問いかけるのだった。

「私は誰だ?」

「私はどうしてこの部屋にいるんだ?」

「私は....なんなんだ」



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