9
「千歳、貴女には養護教諭になってもらいます」「薬学は?それと、私、光属性苦手なんだけど」
今日は集会で私を含め五人の新任教師が来る。
なぜ五人もいるのかって?
使えない人が多いからギルドマスターとかに相談したそうだ。
もちろん、使えない人は解雇だよ。
「苦手といっても上級者レベルでしょ。試験結果も全てパーフェクトだったじゃない」
私は魔法の試験も受けた。結果はオール満点。
養護教諭は光属性の最上級が使えないといけない。
妖怪は闇に属する。ぬらりひょんの私も闇に属しているが、母たちの影響で光属性も使える。妖怪だからか、私は光属性が苦手だ。
「薬学はマユちゃんが帰ってくるまで臨時教師をお願いしたいわ」
「ヤヴォール」
◆◇◆◇
集会
「では、新任の先生方を学園長から紹介していただきます」
「今回は新任の先生が五人もいるのよ」
私は曾お祖母様の横で待機中。畏を使って認識をずらしている。
曾お祖母様には、すでに言ってあるから大丈夫でしょう。
「基本戦闘と戦闘を受け持つランディー・アスルグ先生。彼はギルドランクKの実力者です」
「どうも~」
「キャー」
「カッコいい」
これはびっくり。始めに紹介されたのはマルダット男爵の護衛依頼を一緒に受けたランディーだった。
なら、二人目は……
「同じく、基本戦闘と戦闘を受け持つジーク・ランス先生。彼もランクKの実力者でアスルグ先生とパーティーを組んでいたそうです」
「キャー、この人もカッコいい」
「なんかレベル高くない?」
「ランクJOKERに一番近いと言われてるふたりだよな」
やっぱりジークだ。
へー、二人ってけっこう有名だったんだ。
ランクKね。あのときにランクを聞いてなかったんだよな。
「魔方陣と魔法学を受け持つエール・ナラミエシェ先生」
「よろしく」
「あの天才で変人な」
「変人で有名なナラミエシェ伯爵家の次男」
天才と変人は紙一重ですね。
でも、顔面偏差値は高いな。
「ルル・ブリジーサ先生です」
「みんな~、なかよくーしてねー」
ま、まさかのいい年してブリッ子!早くに解雇されそう。
「最後に養護教諭の千歳ちゃんです」
「はっ!」
「!」
「彼女は育児休暇のマユ・ケユミニ先生の臨時で薬学も担当してもらいます」
私は舞台で畏をとき、急に現れたように見せかけた。
「どうも。養護教諭と一時期薬学も担当するチトセ ……名字どっち言えばいいの?」
「ヌラでいいんじゃない」
「チトセ ヌラです。基本オールマイティーなんでちょくちょく臨時教師で顔だしまーす」
「以上が新任の先生たちです」
◇◆◇◆
「おい、チトセ!」
「ランちゃんとジーク、お久さ。いやー、びっくりしたよ」
「それはこっちのセリフだ」
集会中で私の名前が出たときの驚き顔は傑作だった。
「ああ、あの試験も16で突破するとはな。あれ、難しかったし」
「まあ、これから同期の先生としてよろしく」「おう、よろしく」
「よろしく」