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マルダット男爵の護衛を終えた私たちは空いている宿を探していた。
「なんで、あんたもいるのよ!」
「いや、宿を探しているから」
この人たちの方がくわしそうだし。
「いいじゃねーか」
「貴方たち、いい宿はしらない?」
「なら、ついてくるといい」
「え、ジーク?」
「ありがとう。ジーク」
◆◇◆◇
千歳たちと別れれ城についたマルダット男爵はまず千歳の伝言を伝えに元帥に会っていた。
「元帥」
「おお、マルダット男爵ではないか。いかがなさいましたかな」
「護衛してくれたギルド員から貴方宛の伝言を預かりまして」
「ギルド員から私に?」
「ええ、私にはあまりわからなかったのですが、悪意の有るものではなかったので引き受けましたが」
「そうですか」
「伝言は『ルカの使いが来た』」
バタッ
キラ元帥はマルダット男爵の伝言を聞いた瞬間立ち上がり、目を大きく見開き驚いていた。
「そのギルド員を今すぐ私の前にここに連れてこい‼」
「え、あの元帥?」
「早くしろ!」
「は、はい」
元帥は怒鳴るように命令した。慌てて男爵と騎士は千歳を探しに部屋を出ていった。
「ルカ」
元帥は窓の通して空を見ながら娘の名を呟いた。
◇◆◇◆
「建国祭が近いから宿がいっばいだな」
「そうだね」
「一度、ギルドに行った方が良さげだな」
「あ、ギルド」
「どうしたチトセ?ギルドに何かあんのか?」
「いや、すぐそこにギルドがあったから」
「へ?」
「あら、本当だわ」
ギルドは門の近くにあるから戻っていたりしい。
ギルドに入るとマルダット男爵と騎士がいた。
しかもあせってる?のかな。
「あ!チトセくん。よかったよ、入れ違いにならなくて」
「どうされました?」
「城にすぐ来てくれないか。元帥がお呼びだ」
「良いですけど、その前に報酬を貰っていいですか?」
「ああ。来たばかりなのか」
祖父より報酬が大事な千歳であった。
◇◆◇◆
ギルドから変わり私の祖父キラ・エタナファルの執務室
「君がルカを使いのギルド員かね」
「ええ」
わおっ、威厳があるお祖父様だな。
「証拠出しますので、まず貴方の使い魔を呼んでくれない」
「貴様、なんだその言葉使いは!」
「うるせー。引っ込んでろ」
護衛らしき騎士に注意されるが、私は棒読みで返した。
だってさ、祖父だし。私は貴族じゃないよー。
「わかった」
「元帥!」
「エテカ」
「はい。キラ」
お出まししたのは、私の祖母です。
母に渡すよう言われたメモリーストーンをボックスから取り出し、お祖母様に渡した。
「メモリーストーンですね」
「ああ」
お祖母様は石に魔力を流した。
すると、母の姿が写し出された。
「まぁ」
「本当だったようだな」
『これを見ていると言うことは千歳は会えたようですね。お久しぶりです。お母様。家を飛び出したことはご免なさい。でも、後悔も反省もしていないわ。お父様がわるいのですもの。私は家を飛び出してから素敵た殿方と出会えて結婚しました。』
「まあまあルカちゃんたっら」
「……結婚」
お母様は嬉しそうにお祖父様は衝撃をしている。
『こどもも生んですくすく育ち、今、私はとても幸せな毎日を送っています。』
「こどももか」
「まあ、孫ですわ!」
『これを持ってきた千歳が私の娘です。』
「……は」
「まあ、この子が孫ですのね!」
リアクションの差がすごいなー。
お祖母様のリアクションが母と重なるよ。
『お母様、よろしくお願いしますね。千歳は旦那様に似てやんちゃですもの』
あんたも十分やんちゃだよ。
『千歳に何か有りましたら旦那様共々連れて襲撃しますからね』
「おい!」
「ふふ」
やりそうだな、あいつら。
『では、ごきげんよう。お母様』
「……私にはないのか」
「終わりですわね」
「と、言うことでよろしく。お祖母様」
「ええ、よろしくね。チトセちゃん」
「私には」
「家出までするようなことするからですよ。お祖父様。いったい何をしたの」
「……お見合いなしで結婚」
「……バカだ、この人」
「そうよね」
それは行動的な母は家出するよ。
戦略結婚の範囲越えてない?それってまるで罪を犯した令嬢の監視じゃん。
お祖父様は何を焦ったのだか。
「だって」
「チトセちゃん、こんなバカほっといてお茶しましょう。ルカちゃんの旦那様の話聞きたいわ」
「ええ」
私はお祖母様に屋敷に転移で連れてかれた。
「……元帥の孫」
残った護衛騎士は私が元帥の孫と絶句していた。
こうして、お祖父様たちの挨拶も無事すみ、お祖母様たちとお茶をしながらたくさん母たちのことを話した。
「エタナファル元帥」
「これは陛下、どうされました」
「いや、やけに機嫌がいいから気になってな」「ええ、私に孫が出来ましてな」
「ん?アレンの子が増えたのか?」
「いえ、ルカの子ですよ。いや、私も昨日知りました」
「ルカの!」
「ええ、美人な女性ですよ」
「そうか。何歳だ?」
「16歳だそうですが、父方の種族が13歳で成人だそうです。学問も既に習得済みだとか」
「ほー、そうなのか」
「母の所にも行くそうで」
「会って見たいな」
挨拶した次の日の陛下とお祖父様の会話