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はーい。こちらチトセです。
今、レッドウルフと戦闘しています。
「はっ」
「おりゃ」
「サンダーボール」
私?私はというと……
「あんたも戦いなさいよ!」
「え~。こっち来ないんだもん」
そうです。私の所にはぜんぜんこないんです。
野生の勘がこいつは危ない!っていってるのかな。
「これで何回目だ」
「10回目~」
「全部動物系統だな」
「な、なによ!私のせいって言いたいの!」
「まぁ、帝都まで少しだから」
そう王都まで少しでも、出るんです。
お化けちゃんではなく、魔物ね。
「君たちは、帝都に何しに行くんだい?やはり、建国祭かい?」
「まあ、そんなところです」
「私は知人に会いに行くのに帝都によってくのが楽だっだので」
「そうなのかい」
「その知人って?」
「ランディー!」
「ん、いいよ。隠しているわけでもない。むしろ、こっちが情報を知りたいくらいだから」
「それはどういうことだい?」
「私が持っている地図って数年前のやつだから」
「じゃあ、エルフとかの長命種に会いにいくのか」
「そうだ。この男とこの女性とこのマダムだ」
「この人はマダムって外見じゃないでしょ。それにこの人精霊よね?」
「それにどこかで見たような?」
「ああ、キラ・エタナファル元帥とその使い魔圏奥さんに、クロスリード学園の学園長アスナリール・エタナファル学園長だな」
「おいおいおい、それって帝国最高の魔導士の元帥と理事長のハイエルフじゃねーか」
「チトセくん、二人に何の用事だい?」
男爵は写真を見せると目が笑っていない微笑みで聞いてきたが、それより私は聞いたことに驚いた。
「えぇー!そんなに偉いのこの人たち‼」
「常識よ、そんなこと!でも、この写真に写っている元帥たち少し若くありません?それにこの赤ちゃんたち……」
厚化粧女のミーシャは意外なことに鋭かった。
この写真は母が赤ちゃん時代の家族写真だ。
「ああ、元帥には男女の双子さんがいたんだ。御令嬢は喧嘩して家を出ていったそうだ」
「行動力あるお嬢様だな」
「ああ」
喧嘩して家出したのか。それで東に行ったのだろうな。
なんとも行動力のある母らしい。
基本おとなしい母が家出するほどのことだ、何をしたのだ祖父よ。
「家で少々な。こちらに来たのだ。挨拶をしておこうと思ってな」
「あんたも家出か?」
家出じゃないよ。旅だよ、ここ大事だからね!
「家を継げと五月蝿くてな。私はまだ遊びたいのだよ」
「継げとか、今何歳だ?」
「遊びたいって」
「16だが」
「「「「16!」」」」
「16歳で家を継ぐのは早くないか」
「男爵の言う通りなのだが、私の種族は13で成人なのだ。そうだ!男爵城に入るよな」
「そうだが」
「元帥に会えるように取り入ってくれないか。ルカの使いが来たと伝言をしてくれるだけでいい」
「だが」
「元帥や帝国と争おうとは思っていない」
「んー」
「無理よ。男爵が困ってるじゃない」
いい考えだと思ったのだが、無理か。
「チトセくん、伝言を伝えるだけでいいんだな?」
「ええ」
「わかった」
「ありがとうございます」
「男爵、帝都に着きました」
こうして帝都までの旅と祖父母のアポ?がとれたのだった。