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多種族娘  作者: 暁のネコ
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朝 5時


「ニーニャーニャーン」(マルダットはここ一帯をおさめている貴族だそうです。見ての通りの街なのでうまく政を行っているもよう)

「男爵で港街をおさめているなんて珍し」

「ニャー」(ええ、爵位が上のやつらが黙っていなさそうです)

「ワン」


私は三毛さんが情報収集の報告を受けている。

伯爵ぐらいの爵位のやつがおさめていてもおかしくないんだが。


「ニャーン」(男爵は現皇帝と友人だそうで信頼も厚いそうです。男爵ではもったいない才覚の持ち主だとか)

「ふーん」

「ニャー」(近々、皇帝と帝国設立の誕生際だそうで。彼は自分が狙われていることを理解している。かなりの剣の腕前らしいが護衛の依頼までする用心深さ)

「え!皇帝の誕生日と帝国設立の日被っているのか!」

「ニャー」(反応するのはそこですか)


三毛さんの報告から帝国はもうすぐお祭りだということも男爵の爵位がおかしいことがわかった。


「護衛の依頼は毎年してるのか」

「ニー」(ええ。ですが、今年は護衛の人数が多いようで)

「そうか。……面倒ごとに巻き込まれたかないんだがな」

「クーン」


マメの頭を撫でながら私はそう呟いた。


◆◇◆◇


門前 8時


私はマルダット男爵の帝国行きの護衛依頼のため集合場所である門にいるんだが……


「遅い」

「あの女おそっ」


同行するパーティーの一人が遅刻らしい。話から嫌われた女性のようだ。パーティーの男性二人の内一人は昨日曲がり角でぶつかった人だった。


「ゴメーン。身支度に時間かかちゃった」

「遅い」

「でもー、もう一人も遅刻みたいだからーいいじゃーん」


私、この女と同じにされたくない。

猫なで声だ。鳥肌たつ。

しかも、護衛する気あんのかって感じるの服装だ。


「護衛する気あるの?ミーシャ」

「私は後衛の魔術師よ」


やっぱ思うよねー。こいつはないそうです。


「同行する……「ワン」」

「犬?」

「かわいー」


女がマメを撫でようとする。


ガブッ


「キャー」

「このチビ、賢いな」

「アハハハハ」

「ッ」


いい気味だと声を出して笑うとようやく私の存在に気づいた。

私は集合時間より早めに来たがマルダット男爵がすでにいたので挨拶をすませてあるので遅刻ではない。

遅刻はこの厚化粧女だけだ。


「何よ!あんた!」

「っ、おまえは!」

「知ってるのか?」

「これで全員揃ったな」

「マルダット男爵!」


全員が揃ったことを確認しに来たマルダット男爵が話に割り込んできた。

マルダット男爵から自己紹介が始まった。


「皆も知っていると思うが私はライアン・マルダットだ。帝都までの短い間だがよろしく」


「俺はランディー、ランディー・アスルグだ」


一言でいうとチャラい。赤髪に紫の瞳、耳にピアスを二つづつ。


「俺はジーク・クラン」


彼はクールかな。銀髪青色の瞳、こちらも耳にピアスだ。私もピアスしてるけどさ。

この二人、イケメンだよ。女は二人が顔がよくて腕もいいから無理矢理入った感じるかな。


「私はミーシャ・メーネよ。ランクA。水と風と雷属性よ」


ミーシャはそこそこある胸をはって言った。3属性も持っているのは珍しいから自慢なんだろうな。


「私は奴良 千歳。こっちの人は発音が難しいと思うからチトセでいい。この猫は三毛さんでミーシャを噛んだのがマメ」

「名前も格好も珍しいな。東から来たのか?」

「そう」

「ふーん。東からねー。それより、あんたが飼い主でしょ!ちゃんと躾けなさいよ!」

「してるぞ。あんたが香水臭いから」

「なっ、なんですって!」


臭いもん。私もきつい。鼻がいい動物にはダメ。


「獣型の魔物が出てきたら大半があんたの責任」

「はっ?なに言ってんの?」

「香水臭い」

「まあまあ、出発出来ないからそこまでな」


ランディーに止められ、ミーシャは馬車がいいと駄々をこね、ようやく私たちは帝都に出発に出発した。

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