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「平和だな~」
「にゃん」
「にー」
「みー」
「にゃ~」
私は武家屋敷(現代のどこにあるの?文化財でしょ?)の縁側で猫たち(どんだけいるの?)と日向ぼっこしている。
「お茶がおいしい~」
「あの~お嬢、いつまで埋もれているおつもりで?」
はい、ごめんなさい。半分嘘です。武家屋敷だけど、現代ではありません。猫は本当だけど。
「ん~。いつまでも~」
「総大将がお呼びですよ」
「え~、いいよ~。無視無視。ここから動きたくない」
「動きたくないの前に動けないでしょ。あんた!」
周りは大量の猫で足の踏み場もない。
「それに~面倒くさい」
「それが本音でしょな」
「うん」
「はー」
それにしても
「暇だな~」
「なら、旅にでも行ってくればいいじゃねえか」
「総大将‼」
「あ、爺親父」
「ですから、千歳様」
「注意しても無断だぞ。烏天狗。それにしても機嫌悪いな千歳」
「誰のせいだ」
私は、奴良 千歳。名前でわかる人もいるだろうが一様妖怪ぬらりひょんだけど…。
「ふふふ、相変わらず猫に好かれているわね」
「だな。縁側来るたびに千歳が猫といるからな」
ここに私の両親が揃った。
あ、呼びに来たのは烏天狗ね。
私も漫画のぬらりひょんのように人間の血がまざって……いません。父は奴良組総大将ぬらりひょん、れっきとした妖怪だ。
ここまではいい、母が凄い。母の祖父と祖母、私にとっては曾祖父と曾祖母だが、獣人とエルフ。その獣人とエルフのハーフの祖父と精霊の祖母との子がこの母だ。この母ルカがどうやったら東の妖怪で魑魅魍魎の主と愛しあい、契りを交わして子(私)を生むんだ!
私は獣人,エルフ,精霊,妖怪と多国籍ならぬ多種族なのだ。
「んで、なんのようだ」
「ああ、うちの娘はいつになったら奴良組を継いでくれんかなぁ」
「む、まだいいだろ。まだ」
「そうか~」
「ああ、私はまだ16だ」
「とっくに成人したりっばな妖だな~」
「なぜ、そんなに継がせたい?父さんまだ現役だろ」
「ははっ、そんなの」
「旅か」
「妖の話、最後まで聞け」
「面倒くさいけど、いいかも」
「ちーとーせー」
「うん。決めた。父さん、私は少しの間旅に出るよ。婆さんたちまだ普通に生きてるだろうから会ってくる」
「あら、そう。なら気を付けてね?」
「うん」
「え、千歳、ルカ」
「千歳様!」
曾祖父は亡くなってるかもしれないけど、祖父たちは生きているだろう。それに継げって五月蝿くなんないし、行ってみたかったんだよな。
「母さん。婆さんたちの写真とかない~。私、顔しらない」
「あるわよ」
「貸して」
「はぁ」
「千歳様も困ったものだ」
「ぬらり、くらりのぬらりひょんだからなぁ」
「総大将もですぞ」
いつかは旅に出て西や南、北の大陸に行きたいと思ってたからいい機械だ。
荷造りも終わっている。
「あと、どこに住んでるか知ってる?」
「一様ね。引っ越してるかもしれないけど写真といっしょに書いた紙も渡すね」
「うん。ありがとう」
「たまには帰って来るんだぞ」
「は~い」
「で、いつ継いでくれるんだ」
「23ぐらい?」
「そんなにか」
「まだ、遊びたい」
「継いでからでも遊べるじゃろ」
「え~」
「継いでからでも遊び呆けられたら困る」
「おー、牛鬼」
「牛鬼、こんにちは」
いつ継ぐか話ていたら牛鬼が来た。
奴良組幹部牛鬼。ウシオニではなく鬼だけど牛鬼組の組長。
「千歳もこの組を継ぐならちゃんとしないか。幹部たちもおまえが継ぐことを認めているのだから」
「そうですぞ。護衛をつけるぐらいしないと」
「転移や思念があるからいらなーい」
「ですがっ」
「明日、出発するね。皆に伝えて来る」
「あっ!ちょっと千歳様!」
「20ぐらいには奴良組を継ぐよ」
「二言はねえな」
「ない」