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1足 地獄の景観
次に視界に入ったものは今までに見たことも無い景観だった。
百足が知っている地上は空が青くて、白いフワフワした雲が浮いていて、昼間は太陽が照りつけ明るく、夜になると暗くなる。
明るいのは嫌いなので基本ジメジメして暗い場所を好んでいた。
だがここは、それはそれは先等見えそうもない大きな川が流れており、日の光等がなく、薄暗い。それはおかしい。
何故太陽光もなければライトなどと言った巨大な悪魔が作りだした兵器(我々にはとても恐ろしく思える)もないのに川の流れが見えるのか、見えると言っても黒がかったこの景色。
少し態勢を動かしてみるとガタッと音がする。石だ。黒味ががった黄色い石がずぅっとどこまでも敷き詰められている。
はて、何故このような場所にいるのか。
…「…お前さん。お前さんよ!」
声のするほうをスルっと見ると、地上で最後に見た巨人よりも何倍もある体に2本の角を立てた血の気もよだつ真っ赤な鬼がそこに立っていた。