俎上の砂糖は毒
砂糖が持つ幸せを
砂糖が持つ不幸せを
僕は両方持っていた
砂糖が初めてこの世に誕生した時
その貴重さから砂糖は金持ちの象徴であった
人は砂糖を多く持つことで権力を得ることができた
それにより、白い肌の人々は、砂糖のおかげで幸福であった
しかし、黒い肌の人々は砂糖のせいで不幸せであった
なぜなら、砂糖を大量に生産するため、黒い肌の人は奴隷とならなければならなかったからだ
そんな不幸も幸福も知っているこの甘さを君は美味しそうに食べた
ある人が幸せになるためには
ある人が不幸せにならなくてはならない
君は砂糖という権利を手に入れる
僕は奴隷として君の幸せをつくる
また
僕が砂糖という権利を手に入れて
君が奴隷として僕の幸せを作ってくれる
俎上の砂糖は今まさに喉を通ろうとしていた