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異世界を九十九と一人旅  作者: 書積 詠人
第1章 異世界の法則
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鍛冶屋

ユースの案内で、凄腕の鍛冶屋の家を訪れる。


「すみません。」

「はーい。」


ユースの呼び掛けに応え、家の中から現れたのは、高校生ぐらいの女の子だ。


「あらあら、ユースさん。お久しぶり。剣の手入れですか?」

「いえ。今回の用件は、こっちなんです。」


と、俺の肩を叩く。


(娘か?家の手伝いか。)


俺は、店主に貰った紹介状を女の子に手渡す。


「まあまあ、商人さんの紹介。刀の依頼。すぐ主人に伝えますね。」


そう言って奥に消える女の子。


「あー、ちなみにだな。さっきの女性は会いに来た鍛冶屋の奥さんで、オレよりずっっっと年上だ。」


長命種なのだろうか。ユースどころか俺よりも年下に見えた。

異世界の不思議に一人驚いていると、夫人が中から戻って来る。


「主人は、「会う」と言っていますわ。どうぞ、こちらへ。」


中へ通され、連れてこられたのは鍛冶の工房。


「久しぶりだな、ユースの坊主。防人就任以来か?そん時くれてやった剣はどうなっている?」


そこにいたのは、やっぱり高校生くらいに見える男だった。




鍛冶屋の主人とユースは、思出話に花を咲かせている。

親しげながらも相手を敬う話し方をする、成人は越えたユース。

終始上から偉そうに話す、高校生にしか見えない主人。


(実年齢からしたら当然の光景だが……。)


外見からは想像出来ない鍛治屋の存在感を感じなければ、納得するのは難しい状況だった。


「で、お前が紹介状にあった客か。」

「はい。ガイ・アイオイです。適性は、弓と片手剣そして、刀。」


(相手は職人。機嫌を損ねるのはまずい。)


話は一段落ついたようだ。

こちらに話しかけてくるので、簡潔に応える。


「ガドだ。」


一言だけそう言い、住居の方へ行ってしまう主人。


(あっ、名前か。)


先ほどの言葉の意味に気付くのと同じタイミングで、鍛治屋…ガドさんが戻って来る。

その手には、一振りの刀。


「抜いてみろ。」


刀を差し出しながら、言ってくる。

俺は受け取り、抜き、そして、


シュッ!


右上から左下に向けて降り下ろす。


(これが、刀の感触か。)


ちょっと嬉しくなる。

刀を納め、ガドさんに返す。


ピコン♪


能力(スキル)を習得したようだ。


「生意気な奴め。」


そう言って、また住居に消えるガドさん。


(生意気って。何か失敗したか?)


機嫌を損ねたら、刀が得られない。

得ようと思ったら、都市部まで行かなければいけなくなる。


(そんな手間、御免だぞ。)


内心冷や汗をかきながら、ガドさんの消えた方を見つめる。

ガドは刀を置いて、戻って来る。


「お前に打ってやる刀はない。だから、お前が打て。」


戻って早々、俺を真っ直ぐ見据えてガドさんはそう言った。

能力(スキル)一覧


天職(ジョブ):なし

加護(ギフト)九十九神(つくもがみ) 技能(アビリティ):なし

能力(スキル):警戒B、回避C、幸運D、刀術D(new)

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