ダンジョン攻略 -深奥層8-
第98フロア。
そこは、真っ暗だった。
「おい!無事か?」
「はい。わたくし達は無事ですわ。」
「達?」
「はい。キョウヤも一緒ですの。」
入って早々、一寸先も見えない闇の中。
俺は二人とはぐれたらしい。
(声は届く。光が無いだけで、ここはこれまでと同じ部屋の中。)
入ってきた扉も、先に進む扉も見えない。
(敵も見えない。下手に動くのは、自殺行為。)
そう判断した俺は、二人にもそう伝える。
「へぇ、賢いね、あんた。」
俺の言葉に応えるように、どこからか声がする。
「誰だ。敵か?」
「別に危害を加えるつもりは無いよ。質問に答えて貰うだけ。」
「……。答えなかったら、ここから出さない…か。」
「本当に賢いね。」
確かに手は出していない。
だが、衰弱するつもりは無いため、質問に答えるしかなさそうだった。
「じゃあ、訊くね。あんたは、なぜ産まれたの?」
「親が作ったからだろ?」
禅問答でもしたいのだろうか?
訳が分からないまま、普通に答える。
「そういうつもりじゃなくて。うん、訊き方を変えよう。あんたは、何のために生きているの?」
(何のために産まれて、何をして生きるのか…か。)
かのアンパンヒーローが思い浮かんだ。
あいにく、愛と勇気を伴に活躍など俺には出来ない。
「死にたくないから、生きている。それ以外に答えは持ち合わせて無い。」
「それがあんたの答え。」
「そうだ。」
すると闇は晴れ、ただの黒い部屋になった。
「いいよ。先に行きな。」
姿はなく、声だけが響く。
「次の部屋は何もない。その次、第100フロアが守護者だ。せいぜい生き残れ。」
それを最後に声も気配も消えた。
あんな問をした理由は気になるが、相手がいないとどうしようもない。
「行こう。攻略は目前らしい。」
二人は黙って、共に扉をくぐる。
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手B、威圧B、隠密D、木工技師D、料理A、罠設置B、悪路歩方D
加護:九十九神 技能:人格投与S
能力:間合い取りA、幸運C、武士B、鑑定B、鍛冶師C、エンチャンターA、精神防御B、魔具作成A、仕立て師C、調薬A、応急措置B、薬物耐性A、話術C、遠視B




