20年物ダンジョン
ダンジョン
以前、ユースに教わった通り、何のために誰が作り出したか未だ不明の異空間だ。
中は魔物で溢れ、宝があちこちに眠っている。
そして、ダンジョンは成長する。
宝と言う餌で人を釣り、魔物と言う抗体で人を殺す。
そして、それを吸収するかのように成長し、広く深く中は広がり、宝も魔物も質が高まる。
ゆえに、ダンジョンの難易度は年数で表される。
「おいおい、今バドラって言ったか?」
「オレも聞いた。あの化物ダンジョンに挑むなんて命が要らねぇヤツ、久々に見たわ。」
「あそこのバカップル+1でしょ。自分達ならっていう青い万能感に酔ってるのよ。」
「あそこの宝、取り尽くしてたよな。」
「人が行ける範囲は根こそぎだぜ。」
散々な言われようだ。
だが、二人は気にしていないようだ。
俺の反応だけを見ている。
「20年物……ねぇ。」
「守護者到達は、絶対なのだ。」
俺の呟きに、自信を持ってキョウヤは念を押す。
「俺も命は惜しい。行けるところまでは行く。」
ダンジョンへの興味も出てきた事もあり、挑戦を決意する。
(さて、何が待ち受けるかな?)
決めたのなら、行動は迅速に。
武器の手入れに食料の補充。
そして、何より情報収集を行った。
バドラに挑むと言ったら、皆悲しそうな顔で情報と「命を大事に。」の言葉をくれた。
曰く、
出現した時から、既に強力な仕掛けと魔物に溢れていた。
数多くの犠牲を出しながら、30層まで攻略。
それが10年前、守護者の間には、誰も到達出来なかった。
5年前からは、もはや誰も挑もうとはしなかった。
(聞けば聞くほど、とんでもないダンジョンらしいって事が分かるな。)
能力一覧
天職:レンジャー 技能:射手D、威圧C、気配遮断A、木工技師D、料理B、罠設置D、平衡感覚B
加護:九十九神 技能:人格投与S
能力:間合い取りB、幸運C、武士C、鑑定B、鍛冶師C、エンチャンターB、精神防御C、魔具作成A、仕立て師C、調薬B、応急措置C、薬物耐性B、話術C、遠視D




