懸念
「やった!勝った。」
「お見事でございます。」
あれから、襲いかかってくる魔物は全てユウシの手により撃退されている。
ケットさんは、俺やユウシに世間話を出来るぐらいには、安心している。
加えて、彼の娘シャラはすっかりユウシになついている。
(初対面の時は、父親から絶対離れなかったが。今はユウシにべったり。)
魔物を蹴散らす強さは、確かに惹き付けるだろう。
(だが、少し気になる。)
シャラに見守られながら、稽古をするユウシに俺は危機感を感じている。
(黒。お前をあいつに送ろうと思う。)
(銀が認めるほどの武人。異存は、実はあるのです。)
(やはりか。)
銀と同じ日に、同じ龍を素材に打った剣、黒も何かを感じていた。
(この不安、なんだ?)
その正体は、すぐ分かってしまった。
「ぼくは強い。ぼくより強い奴なんていない。」
「その通りです、我が主。」
「頑張って!ユウシ様!」
いつものように魔物と戦う。
シャラの声援もあり、魔物相手に優勢に立ち回る。
(これだ。ビクオドからの揺り返し。)
強さを得た傲慢。
それが最近感じていた懸念だった。
(だが、順調そうだ。説教は後だな。)
(大変だ、リーダー。早く加勢して下さい。)
(どうした、リブラ?)
(あの魔物は、アンガーコクーン。あの姿は、偽りです。)
その忠告と同時に、魔物は変貌。
ユウシを弾き飛ばした。
ユウシ君は、ハーレムの素質があります。
早速、猫の少女と仲良くなりました。
能力一覧
変化なし




